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2回目の「エド・サリヴァン・ショー」にマイアミからの生中継出演で人気を決定づけたビートルズ

1964年2月12日、ビートルズはカーネギーホールで午後7時45分からと午後11時15分から、それぞれ35分間の2ステージを披露して歓声と熱狂に包まれた後、ホテルで一息入れてから夜明けまでニューヨークの夜を楽しんだ。

そして翌13日、ビートルズはマイアミへ向かうため、ナショナル・エアライン11便に搭乗した。マイアミ国際空港に到着した彼らを出迎えたのは数千人にも及ぶ、熱狂的なファンの大歓声だった。

このマイアミ行きにはオフ日があったので、寝る時間もないくらいに忙しかった彼らはプール、釣り、映画、ショーなどを楽しむことができた。

2月9日の第1回に続いて、再び「エド・サリヴァン・ショー」に生中継で出演したのは16日で、宿泊先だったマイアミのドゥーヴィル・ホテルからの生放送で、3000人を超える観客を前に6曲を演奏した。

「She Loves You」 2:30
「This Boy」 2:47
「All My Loving」 2:15
「I Saw Her Standing There」 3:06
「From Me To You」 1:58
「I Want To Hold Your Hand」 3:20


アメリカ上陸によってビートルズはシングル盤の「抱きしめたい」が全米1位になっただけでなく、キャピトルが出したアルバム『Meet The Beatles(ミート・ザ・ビートルズ)』でも全米チャートのトップに立ち、そのまま11週もその地位を守ってレコード・ビジネスの根本を変えることになる。

2月7日のアメリカ上陸を前にしてビートルズ旋風が巻き起こったことで、2月中旬に発売が予定されていたアルバムは、発売日が繰り上がって1月20日に発売された。そして発売から2週間で75万枚を売って、2月3日にはゴールドディスクに輝き、2月15日にはアルバム・チャートでも1位になった。

こうしてシングルの「抱きしめたい」は3ヵ月で350万枚、アルバム『ミート・ザ・ビートルズ』は2ヵ月で365万枚のセールスを記録した。これはレコード業界にとって前代未聞の売り上げであった。

基本的にティーンエージャー向けのポップ・ミュージックでは、シングル盤の売り上げで商売が成り立つものとされていた。シングルよりLPが売れたポップ・スターは、ビートルズが初めてだったのだ。

あのエルヴィス・プレスリーでさえも、LPのミリオンセラーはこの時までに2枚だけだった。ところがビートルズの登場によってアルバム時代が到来し、レコード・ビジネスのあり方が根底から覆されていく。そしてわずか数年のうちに巨大なマーケットが開発されて、レコード産業は大きく成長していったのである。

キャピトルはビートルズのアルバム第1作目として、アメリカ独自の編集で『ミート・ザ・ビートルズ』を作った。イギリスで出たセカンド・アルバム『ウィズ・ザ・ビートルズ』で使われたジャケット写真を流用して、一見すると間違いそうだがなかなかに個性的な選曲で、12 曲中の11曲までがオリジナル曲であった。

イギリス盤の『ウィズ・ザ・ビートルズ』は8曲がオリジナル・ソングだが、6曲がモータウンとR&Bのカヴァーだった。こうした選曲によってビートルズはオリジナル・ソング中心のグループという、新鮮なイメージが与えられたこともまた、アメリカにおける成功の一因となった。

そして第2回の「エド・サリヴァン・ショー」で演奏した6曲中、4曲がアルバム収録曲だった。アルバムはそこから10週間もチャートの1位をキープすることになり、アメリカにおけるビートルズの人気を決定づけることになった。


「Meet The Beatles」

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