TAP the POP

「君はとても美しい…」のあとに続く言葉

♪ ユー・アー・ソー・ビューティフル…


ジョー・コッカーのハスキーな声がそう歌い上げる。
ビートルズのセッション・ミュージシャンとしても知られ、『ナッシング・フロム・ナッシング』などのヒット曲をもつビリー・プレストンが1974年に書いた『ユー・アー・ソー・ビューティフル』ほど、シンプルなラブソングはない。

そしてその歌の主題こそは、飾りなき、男の思いなのである。

「君はとても美しい…」
ジョー・コッカーは、そこまで歌うと、一息入れた後、こう付け加えるのだ。

♪ トゥ・ミー ♪


「俺には。。。」
客観的に評価して、君は美しい、ではないのである。
周囲はどう思っているか知らないが、少なくとも、俺は君のことを美しいと感じている、と言っているわけである。

♪ わかるだろ。。
君は俺が望むすべて
君は俺が必要とするすべてだと ♪


そして歌詞はまた、冒頭の主題に戻るのだ。

♪ 君はとても美しい。。
俺には。。 ♪


美辞麗句を並べるラブソングにはない説得力が、ジョー・コッカーの歌声とあいまって、聴く者の心をとらえるのである。



Joe Cocker『Ultimate Collection』
Emd Int’l