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「シャボン玉ホリデー」のテーマ曲として永く記憶されるザ・ピーナッツの「スターダスト」

「スターダスト」はソングライターで俳優のホーギー・カーマイケルが、1927年に発表したスウィング・ジャズのスタンダード。

ミッチェル・パリッシュにより歌詞がつけられたのが1929年のことで、その後はビング・クロスビーを筆頭に数多のヴォーカリストによっても歌い継がれていった。

フランク・シナトラ、ナット・キング・コール、ナタリー・コールと、日本でも人気のあったシンガーたちがレパートリーにした。

日本では1960年の『第11回NHK紅白歌合戦』では、ジャズシンガーの笈田敏夫が歌っていたという。

美空ひばりがナット・キング・コールの死を悼んで作った1965年のアルバム、『ひばりジャズを歌う~ナット・キング・コールをしのんで』のヴァージョンも有名で、今なお愛聴されている。

しかし「スターダスト」といえば、双子のザ・ピーナッツを思い浮かべる人も多い。日本テレビの音楽バラエティ『シャボン玉ホリデー』で毎週必ず歌ったことで、曲名は知らなくても当時の日本人の大多数が知ることになったからだ。



1961年6月4日にこの番組が始まった当時、司会進行役のザ・ピーナッツは22歳。

レギュラーだったザ・ピーナッツ、ハナ肇とクレイジーキャッツ、両者はともにこの番組から大きくブレイクした。その結果、『シャボン玉ホリデー』は1972年の10月まで11年以上も続く長寿番組になった。

クロージングのテーマ曲がザ・ピーナッツの英語による「スターダスト」と、一瞬の間を置いて始まるギターのインストゥルメンタルだった。そこでの音楽の使い方がなんとも巧みで、心地よい余韻を視聴者に与えた。

使われていたのはブラジルのギター・デュオ、ロス・インディオス・タバハラスのレコードである。アレンジを担当した音楽監督の宮川泰は、歌に続くギター演奏という演出のアイデアを絶賛している。

「ピーナッツの歌が終わって、ギターのイントロが始まる。あのギターの音が、アレがまたネ、取り合わせの妙っていうか、絶妙なんでしょうネ」


その絶妙な感じが、作者のホーギー・カーマイケルにも伝わったのだから、偶然とはいえ面白い。番組が始まって間もない11月、大変な人気ドラマだった西部劇のテレビ映画『ララミー牧場』にお爺さん役で出演していたカーマイケルは、プロモーションのために来日した。

宿泊先の帝国ホテルの部屋でカーマイケルは、テレビをつけて『シャボン玉ホリデー』を楽しんでいた。日本語がわからなくても音楽とコントとダンスなので、それなりに楽しめたのだという。

すると番組の終わりに、自分が作曲した「スターダスト」が流れてきて驚く。やがてすっかり嬉しくなって、自ら放送局に連絡を取るとゲスト出演が決まった。

そして11月26日の「お伽の国だよ ピーナッツ」の中で、カーマイケルはザ・ピーナッツと共演し、「スターダスト」の伴奏をピアノで弾いたのである。

カーマイケルはその後も音楽を通じて、日本の若者たちとの縁が続いた。1970年代後半には青山にあった伝説のレコードショップ「パイド・パイパー・ハウス」で、「スターダスト」を含む編集盤のアルバム『HOAGY SINGS CARMICHAEL』がベストセラーになったのだ。

このレコードが良く売れたのは、細野晴臣の「香港ブルース」(1976年)やザ・バンドの「我が心のジョージア」(1977年)と、期せずしてカーマイケル作品の内外でカヴァーされたからだった。

ちなみに細野は日本の『シャボン玉ホリデー』や、音楽やトークで構成されたアメリカの番組『ペリー・コモ・ショー』『ダニー・ケイ・ショー』などを、子供の頃から好んで視聴していたという。それについては、「子どもの頃に観た番組が自分のなかに残っていることを感じます」と語っている。


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