「TAP the CHART」第79回
前回のアルバム編「No.1アルバム1964-2017〜カントリー音楽のスーパースターたち」に続いて今回は「シングル編」を。日本ではその強い先入観もあっていまいち馴染みの薄いカントリー・ミュージック。しかし、最近ではテイラー・スウィフトの人気やラップとコラボするアーティストもいたりと、実は知らずに普段からカントリーを耳にしていることが多い。それでは1944年にスタートしたBillboardのカントリーチャートから、歴史や記録を作ってきたスターたちを簡単に紹介していこう。
【TOP COUNTRY ARTISTS】*カントリーのシングルチャートでNo.1ヒットが16曲以上あるアーティストを対象。
★44曲
ジョージ・ストレイト
アルバム、シングル共にカントリー界で最も多くのNo.1ヒットを持つ。
コンウェイ・トゥイッティ
R&Rからカントリーへ転身して大成功を収めた。
マール・ハガード
カントリー界の偉大なるレジェンドの一人。
ロニー・ミルサップ
70〜80年代に凄まじい数のヒットを飛ばし続けた盲目のシンガー。
アラバマ
80年代に最も人気のあったカントリー・バンド。
チャリー・プライド
カントリー界で最初に成功を収めた黒人歌手。
エディ・アーノルド
40〜50年代に最も人気が高かったカントリー歌手。
アラン・ジャクソン
ガース・ブルックスらともに89年にデビューしたスーパースター。
ドリー・パートン
ホイットニー・ヒューストンのカバーでも有名な女性歌手。カントリーのイメージに貢献。
リーバ・マッキンタイア
長い売れない時代を経てスターに。女性歌手としてカントリー界で最も成功を収めた一人。
ティム・マグロウ
映画俳優としても活躍するカントリー界の現役スーパースター。
ソニー・ジェイムス
50〜70年代に活躍した南部の紳士。
ケニー・チェズニー
現在も人気を維持し続けるスーパースター。
バック・オウエンス
ドワイト・ヨーカムもリスペクトしたホンキー・トンク・カントリーの顔役。
ウィリー・ネルソン
説明不要のカントリー界のリビング・レジェンド。
ケニー・ロジャース
ポップチャートでも数々のヒットを放った人気歌手。
タミー・ウィネット
カントリー界のファースト・レディ。ジョージ・ジョーンズとのデュエットでも有名。
ガース・ブルックス
90年代にスケールの大きな売り上げを誇ったスーパースター。一時引退して復活した。
ブルックス&ダン
90年代にヒットを連発した人気カントリー・デュオ。
トビー・キース
ここ20年のカントリーを代表するスーパースター。
クリスタル・ゲイル
アール・トーマス・コンリー
ブラッド・ペイズリー
★17曲
ドン・ウィリアムス
オークリッジ・ボーイズ
ミッキー・ギリー
エディ・ラビット
★16曲
ウェイロン・ジェニングス
ロレッタ・リン
マーティ・ロビンス
キース・アーバン
【TOP COUNTRY HITS BY DECADE】*カントリーのシングルチャートでNo.1ヒットとなったもののうち、獲得週が多いもの5曲ずつを時代別に振り返り。
【1940年代】
21週/「I’ll Hold You in My Heart (Till I Can Hold You in My Arms)」エディ・アーノルド
19週/「Bouquet of Roses」エディ・アーノルド
17週/「Slippin’ Around」ジミー・ウェイクリー&マーガレット・ホワイティング
16週/「Lovesick Blues」ハンク・ウィリアムス
16週/「Guitar Polka」アル・デクスター
伝説のハンク・ウィリアムス。彼の死と入れ替わるようにロックンロール旋風が起こった。
【1950年代】
21週/「I’m Moving On」ハンク・スノウ
21週/「In the Jailhouse Now」ウェッブ・ピアース
20週/「Crazy Arms」レイ・プライス
20週/「I Don’t Hurt Anymore」ハンク・スノウ
17週/「Slowly」ウェッブ・ピアース
17週/「Heartbreak Hotel」エルヴィス・プレスリー
50年代のカントリーを代表する一人、ウェッブ・ピアース。
【1960年代】
19週/「Walk On By」リロイ・ヴァン・ダイク
16週/「Love’s Gonna Live Here」バック・オウエンス
14週/「Please Help Me, I’m Falling」ハンク・ロックリン
14週/「He’ll Have to Go」ジム・リーヴス
12週/「Alabam」/カウボーイ・コパス
大ヒットしたリロイ・ヴァン・ダイクの曲。
【1970年代】
6週/「My Hang-Up Is You」フレディー・ハート
6週/「Luckenbach, Texas (Back to the Basics of Love)」ウェイロン・ジェニングス
5週/「Convoy」C.W.マッコール
5週/「Kiss an Angel Good Mornin’」チャーリー・プライド
5週/「Rose Garden」リン・アンダーソン
70年代のアウトロー・カントリーを牽引したウェイロン・ジェニングスの大名曲。
【1980年代】
3週/「Coward of the County」ケニー・ロジャース
3週/「My Heart」ロニー・ミルサップ
3週/「Lookin’ For Love」/ジョニー・リー
3週/「Forever And Ever,Amen」ランディ・トラヴィス
2週/「Have Mercy」/ジャッズ
母ナオミと娘ウィノーナのデュオ、ジャッズ。
【1990年代】
8週/「Amazed」ローンスター
6週/「It’s Your Love」ティム・マグロウ&フェイス・ヒル
6週/「Just To See You Smile」ティム・マグロウ
6週/「Breathe」フェイス・ヒル
6週/「How Forever Feels」ケニー・チェズニー
ポップチャートでも大ヒットしたローンスター。
【2000年代】
7週/「There Goes My Life」ケニー・チェズニー
7週/「The Good Stuff」ケニー・チェズニー
7週/「Live Like You Were Dying」ティム・マグロウ
7週/「It’s Five O’Clock Somewhere」アラン・ジャクソン&ジミー・バフェット
7週/「Have You Forgotten?」/ダリル・ワーリー
カントリー界を代表する超スーパースター、ケニー・チェズニー。
【2010年代】
24週/「Cruise」フロリダ・ジョージア・ライン
19週/「Body Like a Back Road」サム・ハント
18週/「H.O.L.Y.」フロリダ・ジョージア・ライン
16週/「Die a Happy Man」トーマス・レット
14週/「Burnin’ It Down」ジェイソン・アルディーン
大記録を更新したフロリダ・ジョージア・ライン
なお、ジョージ・ジョーンズはアルバム同様、最も多くのシングルをチャートインさせているが、No.1ヒットは意外と少なく、今回のリストには登場しない。そういうタイプのビッグネームはまだまだたくさんいる。
そして、もしいつまでもオールド・ロックに囚われているのなら、これを機に様々な時代における世界中の音楽に慣れ親しんでみるのも楽しい。同じ場所にいてはならないのだ。音楽の旅人とは、永遠に移動しなければならない。
*参考/『カントリー・ミュージックの巨人』(ニール・ヘイスロップ他著/星野吉男訳/東亜音楽社)、Joel Whitburn氏監修の『TOP COUNTRY SINGLES 1944-1997』
(アルバム編はこちら)
No.1アルバム1964-2017〜カントリー音楽のスーパースターたち
(ヴィジュアルからカントリー音楽に入りたい人にはこちらがオススメです!!)
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