TAP the POP

窓と壁〜レッド・ツェッペリンほか

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「TAP the COLOR」連載第70回

今回は灰色の沈黙の中で主張された窓と壁、4枚をセレクト。フィル・スペクターの影響力は絶大で、ブライアン・ウィルソン、ブルース・スプリングスティーン、ビリー・ジョエル、アラン・パーソンズ、ジェフ・リンまで幅広い。日本でも大瀧詠一や佐野元春などその魅力に取り憑かれたアーティストは多数。

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フィル・スペクター『Back to Mono (1958–1969)』(1991)
音の壁=ウォール・オブ・サウンドの生みの親であり、60年代ポップ・ミュージックの金字塔フィル・スペクター。本作はソングライター/プロデューサーとしての仕事集。ロネッツ、クリスタルズ、ライチャス・ブラザースから伝説のクリスマス・アルバムまで入った4枚組。

ニール・ヤング『After the Gold Rush』(1970)
ニール、25歳の時のサード作。シンガー・ソングライターのブームの時代に放った名盤にして彼の最高傑作として知られる。もちろんクレイジー・ホースの面々も参加。轟音ギターは聞こえなくとも、簡素で美しいアコースティックな演奏の中でニールは心から叫んでいた。


レッド・ツェッペリン『Physical Graffiti』(1975)
絶頂期にあった彼らの2枚組。過去作のアウトテイク集でもある。ジャケットはストーンズの仕事で知られるピーター・コリストン。NYの実在するアパートの写真が使用されている。ZEPのアルバムセールスは凄まじく、アメリカだけで1億枚以上というから驚き。

ダン・フォーゲルバーグ『Windows & Walls』(1984)
1970年代半ば〜80年代前半にかけて、叙情溢れるメロディでヒットを放ったシンガー・ソングライター。本作リリース時はMTV全盛期。ヴィジュアル性の強いポップスターが音楽シーンを独占する中、社会性を押し出した静かな作品は、歌い手としての誇りに他ならなかった。

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