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宮沢賢治の「雨ニモマケズ」にはモデルとなった人物がいた!?

2017.09.21

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日本を代表する詩人、童話作家、宮沢賢治。
彼は1933年9月21日に肺炎でこの世を去った。
死後、“遺作メモ”として発見されたのがこの『雨ニモマケズ』だった。
原文は「雨ニモマケズ/風ニモマケズ」より始まり、「サウイフモノニ/ワタシハナリタイ」で終わる漢字交じりのカタカナ書きである。
対句のような表現が全編にわたって用いられ、最後のセンテンスになるまで主語(私)が明かされない。
謙虚で自己犠牲の精神を持った人に憧れた、宮沢賢治の“理想像”を綴ったものだといわれていたのだが…実はこの『雨ニモマケズ』にはモデルとなった人物がいるという。
その人の名は斉藤宗次郎。
1887年、彼は宮沢賢治の故郷と同じ岩手県の花巻で、禅宗の寺の三男として生まれる。
彼は若くして小学校の教師になるが、内村鑑三(キリスト教思想家/聖書学者)の影響を受けて聖書を読むようになり、洗礼を受けてクリスチャンとなる。
当時は、キリスト教は「ヤソ教」「国賊」と呼ばれていた。
洗礼を受けた時から迫害を受けるようになり、石を投げられ、親にも勘当され、小学校の教師を辞めさせられてしまう。
迫害は日に日にエスカレートして、何度も家のガラスを割られたり、近所で火事が起きたときなど、嫌がらせで放水され、家を壊されたことがあったという。
そして…とうとう悲劇が起こる。
当時9歳だった彼の長女が「ヤソの子供!」と言われて腹を蹴られ、腹膜炎を起こして亡くなってしまう。
耐え難い悲しみと苦しみの中で…彼は神様に祈った。

「御心がなりますように」

その後も、彼はくじけることなく神様を信じ、神の教えに従い続けた。
普通ならば迫害のない違う土地へ移るところを(むしろ)その土地の人々に神様の愛を持って仕えることを選ぶ。
牛乳配達と新聞配達のため一日40キロの配達の道のりを走りながら、迫害する人々にキリストを宣べ伝える。
10メートル走っては神様に祈り、10メートル歩いては神様に感謝を捧げたという。
子供に会うとアメ玉を与え、仕事の合間には病気の人のお見舞いをし、励まし、祈り続けた。
雨の日も、風の日も、雪の日も休むことなく街の人達のために祈り、働き続けたという。周りから「でくのぼう」と言われながらも、愛と信仰を貫き通したのだ。
1926年、内村鑑三に招かれて花巻を去って東京へ引っ越すこととなる。
花巻の地を離れる日、誰も見送りには来てくれないだろうと思って駅に行くと…そこには、町長をはじめ、町の有力者、学校の教師、生徒、神主、僧侶、一般人や物乞いにいたるまで、身動きがとれないほど見送りが集まったという。
その群衆の中に、若き日の宮沢賢治もいたのだ。


賢治が『雨ニモマケズ』を書いたのは1931年(昭和6年)11月3日だったと言われている。
この年の2月に宮沢は東北砕石工場の技師となり、宣伝販売を任され、夢を抱いて上京することとなる。
しかし、賢治は急に発熱をして倒れてしまう。
その症状は思いの外深刻なもので…手元にあった手帳に遺書のよう内容の走り書きと共にこの『雨ニモマケズ』を書いたという。
病床に伏せながら綴ったそのメモ書きは、元々作品でもなく、公開するためのものではなかった。


その手帳自体の存在は家族にすら知られていなかった。
手帳が発見されたのは、賢治が亡くなった翌年に新宿で開催された“宮沢賢治・友の会”の席上だった。
この会合には、招かれた賢治の弟が賢治の遺品である大きな革トランクを持参していた。席上、参加者の誰かがこの革トランクのポケットから手帳を取り出し他の参会者にも回覧された。
没後1年を記念した1934年9月21日付の『岩手日報』夕刊に「遺作(最後のノートから)」と題して掲載。
続いて1936年7月、日本少国民文庫の『人類の進歩につくした人々』に収録されることとなる。


時は流れ…人々の心にチカラを与え続けてきた宮沢賢治の『雨ニモマケズ』に、メロディーをのせて歌った男がいた。
彼の名は宇佐元恭一。
福岡県出身のシンガーソングライターだ。
1982年、23歳の時にロンドンレコードからレコードデビューを果たし、俳優やパーソナリティとしても活躍する。
2002年、43歳の時に宮沢賢治の『雨ニモマケズ』に突然メロディが舞い降り、新潟・福岡・宮城などの震災復興コンサートで歌うようになり、2005年にリリースする。
同曲は、2012年公開の映画『一遍上人』のエンディングテーマにも抜擢されている。
東日本大震災以降、被災地でのコンサートを重ねながら支援活動を続けている。

【宇佐元恭一 オフィシャルブログ】
https://ameblo.jp/usamoto-kyoichi/


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