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WONK──ルーツとエクスペリメンタル、2つの側面にフォーカスを当てた2枚のアルバム

2017.09.22

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「東京を拠点とするエクスペリメンタル・ソウルバンド」を名乗る4人組、WONK。ドラムの荒田洸を中心に、キーボードの江﨑文武、ベースの井上幹、そしてボーカル長塚健斗の4人によって2013年に結成。ちなみにそのバンド名は敬愛するセロニアス・モンクをMONKをもじってつけたものだという。

ジャズ、ソウル、ヒップホップ、ビート・ミュージック……とあらゆる音楽を行き来するフリーフォームなセンスと、高い演奏力で展開する圧巻のライブ・パフォーマンスで評価を高めてきたWONK。そもそもバンドが始動したきっかけは、「Jディラっぽいビートを生バンドでやりたい」という想いからだったそう。よれたビートでヒップホップの流れを変えただけでなく、さまざまな音楽に影響を波及させていったJディラ。彼の独特なビート感覚を取り入れた人力グルーヴを中心とした生音のアンサンブルは、たとえばロバート・グラスパーをはじめ世界各地に生まれてきたが、WONKが作り出す音楽もその一つの形といえる。


2016年9月にリリースされた1stアルバム『Sphere』が大きな反響を集めた彼らは、サマソニ、東京JAZZをはじめ数々のフェスに出演を果たし、今年2月にはヨーロッパ・ツアーを敢行。ますます注目が高まる中で発表されたのが、『Castor』と『Pollux』という2つのアルバムだ。

同時にリリースされたこの2枚のアルバム。『Castor』は、彼らの音楽の根幹にあるブラック・ミュージックにフォーカスを当てた作品。現在進行形のブラック・ミュージックの潮流と共鳴しながら、そのルーツにある70年代ソウルやファンク、さらにはモダン・ブルースまでをも、WONKならではのスタイルに昇華していく。

一方の『Pollux』は、目まぐるしくビートが展開していく「Give Me Back My Fire」を筆頭に、ニューヨークのフューチャー・ソウルバンド〈The Love Experiment〉の女性ボーカリストをフィーチャーした「Make It All Mine」、アブストラクトなビートにトランペットの音色がサイケに響く「Babel」、ゲーム音をコラージュしたようなサウンドが中毒的にハマる「Economic Wonderland」など、彼らの自由で実験的な側面をより深く掘り下げたような作品となった。

ルーツとエクスペリメンタル──バンドが持つ2つの側面にフォーカスを当てた2枚のアルバムで、さらに深化したWONKの音楽。ここに収められた楽曲たちが、ライブではどのように奏でられるのか? それも楽しみでならない。


WONK『Castor』

WONK
『Castor』

(Epistorph)


WONK『Pollux』

WONK
『Pollux』

(Epistorph)



official website
http://www.wonk.tokyo/

Live Schedule
10月7日(土)熊本・熊本 NAVARO
10月8日(日)福岡・福岡 ROOMS
10月14日(土)広島・世羅町 Que Sera Sera Wine & Music Festival
10月21日(土)京都・京都 BORO FESTA 2017
10月27日(金)大阪・billboard LIVE OSAkA
11月2日(木)宮城・仙台 darwin
11月11日(土)東京・渋谷 WWWX
11月25日(土)北海道・札幌DUCE
11月26日(日)北海道・旭川 WORLD HALL

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