TAP the POP初ライブイベント「音楽愛(ONGAKU LOVE)」
出演者スペシャルインタビュー③〜片寄明人
2025年2月28日(金)に横浜ReNY βで開催される、TAP the POP初のライブイベント『音楽愛(ONGAKU LOVE)』。「音楽が秘めた力を、もっと多くの人に広めたい」「音楽が持つ繋がりや物語を、次の世代に伝えたい」というコンセプトに賛同してくれたアーティストが出演をする。
ライブイベントのタイトルにもなっている“音楽愛”を語ってもらう今回のインタビューシリーズ。第3回は弾き語りで参加する、Chocolat & Akito(ショコラ&アキト)の片寄明人。Great3やプロデューサーとしても活躍する彼の“音楽愛”とは? (取材・文/石井由紀子)
ライブイベントのタイトルにもなっている“音楽愛”を語ってもらう今回のインタビューシリーズ。第3回は弾き語りで参加する、Chocolat & Akito(ショコラ&アキト)の片寄明人。Great3やプロデューサーとしても活躍する彼の“音楽愛”とは? (取材・文/石井由紀子)
今こうしてミュージシャンでいられるのは
音楽への愛情が人一倍あったから
──1991年にRotten Hatsのメンバーとしてデビューし、目紛しく変わる音楽シーンで、活躍を続けていらっしゃいます。プロとして34年間を過ごす中で、良いことも大変なことも含めて、たくさんのことを経験されているかと思いますが、「音楽があって良かった、救われた」と実感したことはありますか?
片寄 自分の人生そのものが、音楽がなかったら全く別の物になっていたと思いますね。音楽って、学校とかでも教えてもらえるじゃないですか。でも、自分は譜面を見ながらやる音楽とは少し違う道を歩きました。正式な音楽教育を受けてミュージシャンになったわけではない“野良ミュージシャン”のようなものです。そんな自分がどうして長い間、プロのミュージシャンとしてやって来られたかと言うと、音楽への愛情が人一倍あったから。それ以外の理由は考えられないです。
若い頃から、歌が上手いと思ったことはないし、特に演奏が秀でていた訳でもない、でも誰よりも音楽が好きだっていう自信だけはあった。今の自分では信じられないほどバンドを始めた頃は自信に満ちていて。絶対にプロのミュージシャンになれると信じていた。
今、プロデューサーをしている自分から見たら、(当時の自分は)絶対に無理だよってレベルです(笑)。だけど、あの頃の自分には根拠のない自信が強烈にあって、その裏付けになっていたのが、音楽への愛。誰よりも音楽を知っていると思い込んでいた。でもその勘違いが、あの時の自分を掻き立てて、この道に導いてくれたんだと、今はよく分かります。
でもある日、現実とぶつかる(笑)。その後デビューしてからいろいろ苦労はしましたが、それで自分は良かったなと思っています。周囲の素晴らしいミュージシャンも、根拠のない自信とそれと同じくらいの自信の無さ。その両面を持っている人が多いように感じます。
──たくさんのレコードを持っていて、音楽への造詣も深いことで知られる片寄さんですが、その原点とも言える、最初に買った作品は何だったのでしょうか?
片寄 最初に買った洋楽のレコードは、ポリスの『白いレガッタ』(原題:『Regatta De Blanc』)だったと思う。確か12歳くらいの時で、クラスの女の子が下敷きに三人の写真を入れていて。僕らの頃って洋楽がアイドル的な人気もあったんです。その女の子はちょっとマセていたと思うけど。「それ何?」って聞いたら、「ポリスってバンドだよ」って教えてくれて。
そこからチェックして、好きになったのかな。それからビリー・ジョエルの「Honesty」をスーパーマーケットとかテレビのCMで聴いて、“なんていい曲だろう”って、涙が出そうになった思い出もあります。それとやっぱりYMOだったかな。大ブームで。
──当時の子供の多くは、歌謡曲や『ザ・ベストテン』など、テレビ文化の真っ只中にいたと思いますが、そういった音楽に興味は無かったのですか?
片寄 もちろん沢田研二とかピンクレディー、キャンディーズなんかも好きでしたよ。それと同時に、一緒に住んでいた従姉がいたんですけど、隣の部屋から高中正義とかアース・ウインド・アンド・ファイアーが聴こえてくる(笑)。何かかっこいいなと思ってた。
あとは、子供特有の“人とはちょっと違ったものが好きな自分でいたい”願望もあったかな。小学生の時はポピュラーな男の子ではなかったから。眼鏡をかけて痩せっぽちで、運動も苦手だけど、いじめられないように空手だけやっている。ちょっとひねたというか、複雑な感じの子供だったので(笑)。だから、他の人が聴いていないものを聴きたいという気持ちは、当時からあったかもしれない。
──子供の頃に、少し年上の人の影響を受けたというのは、共感する方も多いかと思います。片寄さんにとって、それが「音楽」であり、まさに運命の出会いだった?
子供の頃って、野球とか鉄道とかいろいろなものに夢中になるじゃないですか。それまでみんなが好きなものについていっただけだった自分が、初めて自主的に「これが好きだ」と胸がワクワクしたのが音楽でした。その日からは迷ったことはありません。将来も音楽に関わる仕事がしたいと思い、結果的にミュージシャンの道を選びました。
僕は大学3年生の頃に初めて曲を作りはじめたので、10代の頃は純粋なリスナーだったんです。だけど根拠のない自信をもって音楽に人生を賭けた。自分の人生イコール音楽だったと言っても過言ではないと思います。
Chocolat & Akitoで奏でる世界
光も闇も入ってくる音楽が好き
──今回は、Chocolat & Akitoでご出演いただきます。Great3とChocolat & Akitoでの曲作りは、全く違いますか?
片寄 違いますね。単純にヴォーカルのレンジが広がるというか。男女が同時に歌うから、より幅広いメロティが書けるというのも一つあるし。でも多分、GREAT3が特殊なんだと思う。メンバーには白根賢一とヤンがいるけど、それぞれひとりではみんな違うことをやる。面白いんですよ。やっぱり一つの別人格というか。
GREAT3の名の下に3人が揃った時にしかない独特の何か、その時にしか生まれないものがあって、僕は己のクリエイティビティをそこに捧げるのみです。「GREAT3のようなことを他でもやってくれ」と言われても、やはり何かが違う。あとの2人がいないとね。
──Chocolat & Akitoは、比較的サニーサイドな雰囲気の曲が多いといったところでしょうか?
片寄 そう感じる人もいるかもしれない、でもChocolat & Akitoも闇だらけですよ(笑)。僕は光も闇も入っている音楽が好きだから。ただGREAT3とChocolat & Akitoは根底では通じながらも、かなり違う世界になっているとは思います。
──Chocolatさんは、公私共にパートナーでいらっしゃいますが、仕事と暮らしが同じ環境というのはどんな感じですか?
片寄 彼女は“ミュージシャン100%”というタイプではなくて。あらゆるクリエイティブなことが大好きで、音楽もそのひとつという感じです。でも特に演奏面では共演したミュージシャンが口を揃えて「片寄より才能がある」と言います(笑)。作曲もユニークで型破り。でも音楽に対してあまりエゴがないので、一緒にいてもぶつかったり、お互いをライバル視したりすることは無いですね。
Chocolat & Akitoでは“家族旅行=ツアー”という気持ちで楽しんでました(笑)。夫婦で旅してライブと観光をしながら、地元の人たちと仲良くなる、2017年に子供が生まれるまではそんなツアーを4、5年やっていましたね。
逃げも隠れもできない、原始的な力や
人間力が試される“弾き語り”という行為
──今回のライブでの弾き語りの醍醐味とは何でしょう?
片寄 弾き語りは人間力が試されるというか。ギター1本で人前に立つ、歌うという行為は、本当に原始的な力、人間としての力が試されると感じています。お客さんとのエネルギーの交換というか、ある種の特殊な体験なんです。逃げも隠れもできない、裸で立たされるというか。
AIで作る音楽がある中で、その対極にあるのが、弾き語りのような気がします。その場にいて目の前で観ないと得られない特別なエナジーが、演じる側にも観る側にもあると思っています。
たくさんの人が一つの物事にその場で集中するという行為には特殊な力があると信じます。そこでしか起こり得ない、奇跡的なこともある。そのエナジーがミュージシャンをゾーン体験に導き、観る者に心が震えるほどの感動を与える。大きな会場でビッグアーティストを観るのも良いけれど、小さな会場でしか味わえない体験も僕は好きです。
──今回のライブでは、どんな曲を披露されますか?
まだ決めてないけど、代表曲をするかな。今回は、普段は共演することがないようなバンドやミュージシャンとできるから。昔から知っているのは、山口洋さんと冷牟田竜之さんですね。冷牟田さんは東京スカパラダイスオーケストラにいた頃、Rotten Hatsと同じ事務所だったから。
冷牟田さんはいつもクールで話しかけづらかったんですが、いざ接するととても優しい人で。BLUE TONICの時代から唯一無二の美学を感じるミュージシャンです。山口さんとは若い頃にHEATWAVEのライブを観たこともありますし、佐野元春さんとの繋がりでお会いしたこともあります。その熱いパッションを間近で感じられる弾き語りはとてもいいですね。
Chocolat & Akitoとしては、子供が産まれたり、コロナが重なったこともあって、5年ほどライブ活動を休んでいたんです。こうしたイベントにChocolat & Akitoの名義で出るのは本当に久しぶりかもしれないです。


- 片寄 明人(かたよせ・あきと)
「ブルーでハッピーがいい」で 1997 年にデビューしたショコラと、GREAT3 のボーカル・ギター、そして音楽プロデューサーとして活躍する片寄明人の夫婦が2005 年に結成。現在までに 4 枚のアルバムを発表している。
最新作は、カリフォルニアのサーフジャズ・デュオ “ザ・マットソン2”とのコラボレーションアルバム「Chocolat & Akito meets The Mattson 2」。
夫婦で様々な CM に出演し、ナレーション等でも活躍。京都α-stationでは、7歳の息子と3人で FM 番組「Everyday Story」の DJ を担当。ショコラは、アクセサリー・ブランド「Corchea」のデザイナーとしても人気を博している。
片寄明人 X
ショコラ リンク集
★2つの大切なお知らせ★
【一夜限りのスペシャルライブが実現! 人気のチケットはお早めに!!】
TAP the POPが初ライブイベント『音楽愛』(ONGAKU LOVE)を開催します。豪華6組の弾き語り&バンドが出演。さらにゲストを迎えたトークショー、
次世代の音楽シーンを担う新しい才能も紹介します。
二度とないアーティストの組み合わせは、誰かに語れる貴重な体験になります。
「もう何年も何十年もライブハウスに行ってない」
「生で音楽を楽しむことの興奮を取り戻したい」
……そんな人も大歓迎。“音楽愛”の復活を共に祝福しましょう!
TAP the POP 音楽愛 (ONGAKU LOVE)
2025.2.28 FRI @横浜 ReNY β
OPEN18:00/START18:30
▼出演
冷牟田竜之(ex東京スカパラダイスオーケストラ/Taboo)
山口洋 (HEATWAVE)
ショコラ&アキト(片寄明人/ GREAT3)
イエロースタッズ
THESE THREE WORDS(冷牟田竜之)
金子駿平
佐々木モトアキ
吉澤成友(YOUR SONG IS GOOD)

★チケット入手方法
※「通常チケット「スペシャルチケット」の2種類があります。①通常チケット (人気上昇中につきお早めに!)
受付 : e+(イープラス)
受付期間 : なくなり次第終了
料金 : ¥6,600
▼通常チケットの購入はこちらから
https://eplus.jp/sf/detail/4257420001-P0030001P021001?P1=1221
②スペシャルチケット(リハ見学・記念撮影・サイン入りTシャツ・書籍・特設ページ名前入れなど数量限定)
受付 : CAMPFIRE(クラウドファンディング)
受付期間 : 2025年2月20日(木)18時まで
料金 : ¥8,000~¥50,000
▼スペシャルチケットの詳細・お申し込みはこちらから
https://camp-fire.jp/projects/view/811070
▼スペシャルライブイベント『音楽愛』について
https://www.tapthepop.net/extra/127354
【ご支援ご協力のお願い】
「音楽が秘めた力を、もっと多くの人々に広めたい」「音楽が持つ繋がりや物語を、次の世代に伝えたい」
音楽コラムサイト『TAP the POP』は、今後の活動に向けてクラウドファンディングを実施中です。
豪華6組の弾き語り&バンドが出演する一夜限りライブの「スペシャルチケット」をはじめ、参加できない人のために、“ここでしか手に入らない”グッズや書籍のリターンをご用意しました。
この機会にぜひ❝音楽愛❞を一緒に育ててくれませんか。応援よろしくお願いいたします(下記の「音楽愛」ページで経緯や想いを綴りました)。
~リターンメニューのご紹介~
♪初開催ライブイベントのスペシャルチケット(数量限定/2月20日締切)
♪Tシャツなど7種の限定デザイン&ロゴ入りグッズ
♪約4,000本の原稿から厳選するベスト盤的書籍
♪ご支援いただいた全員の方を「音楽愛メンバーの証」として特設ページで名前入れ
▼ TAP the POPクラファン「音楽愛」ページ(CAMPFIRE内)
https://camp-fire.jp/projects/view/811070
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