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脇田もなり──注目の女性シンガーが放つ、令和元年の夏を彩るサマー・アンセム!

2019.07.29

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 シティポップや90年代R&Bなど、ここ最近で再評価の機運が高まるトレンドを絶妙なバランスで取り入れたサウンド・プロダクション。年間100本以上のステージで場数を踏んできた、シンガーとしての成長。そして、キャリアを重ねるにつれて芽生えてきた、彼女自身の表現欲──それらが見事に作品として結実したのが、脇田もなりの3rdアルバム『RIGHT HERE』だ。

 2016年のソロ・デビュー以来、コンスタントにリリースを重ねてきたフィメール・シンガー、脇田もなり。DJ NachuとのコンビによるDJセットでのライブも数多くこなしながら、越智俊介(CRCK/LCKS)、ラブアンリミテッドしまだん(Healthy Dynamite Club)、KAYO-CHAAAN (Healthy Dynamite Club)、山下賢(Mop of Head/Alaska Jam)といった気鋭のミュージシャンたちからなる〈Up and Coming〉を従えた、バンド・セットでのステージも充実。今やライブ・アーティストとしても高い評価を集めつつあるなか完成したアルバム『RIGHT HERE』で、脇田もなりははまた新しい扉を開いた。

 彼女自身が初めて本格的に作詞を手がけた「風船」で幕を開ける本作。プリンスが手がけるガールポップ的な風合いのサウンドの楽曲に続き、「Thinkin’ about U」はニュー・ジャック・スウィング調と、80年代〜90年代に青春を過ごしてきた人たちなら、冒頭から間違いなくハートを掴まれてしまうことだろう。そんななか、3曲目「エスパドリーユでつかまえて」で、アルバムは最初のクライマックスを迎える。Dorianがプロデュースを手掛け、一十三十一が作詞を担当したこの曲は、多様な楽器の音色が宙を舞うカラフルなサウンド・コラージュで、フューチャリスティックかつトロピカルなアーバン・ポップ。新機軸なサウンドにのせて、脇田もなりも少し気怠さも漂わせた大人びた表情の歌声を聴かせていて、令和元年を彩るサマー・アンセムと称賛したくなる仕上がりだ。

 MISIAなどのプロデュースなどで知られ、これまでも彼女の作品に参加したきた佐々木潤がプロデュースを担当した「WHERE IS…LOVE?」(作詞を手がけたのはは鈴木桃子という、元コーザ・ノストラのチームによる楽曲)では、本格的なR&Bに真っ向から取り組んだ。

 くるりのカバー「ハイウェイ」や、彼女の本来の持ち味である伸びやかな歌声が炸裂するハウスなポップ・チューン「3MOTION」などを挟んで、ラストを飾るのは新井俊也(冗談伯爵)がプロデュースした「passing by」。脇田もなり自身の、ここ最近の音楽的指向をど真ん中から捉えたAORナンバー。ゆったりとしたグルーヴの中に、時折のぞくエモーショナルな瞬間。そんなサウンドとシンクロするように、脇田もなりの歌声も緩急自在に歌の世界を表現していく。

 シンガーとして、そして24歳の女性としての現在地点をしっかりと表現しながら、彼女が目指す「この先の未来」を示唆する、豊かな可能性を感じさせる作品だ。

脇田もなり『RIGHT HERE』

脇田もなり
『RIGHT HERE』

(HIGH CONTRAST/VIVID)



MONARI WAKITA

3rd Album “RIGHT HERE” RELEASE TOUR

2019年8月25日(日)石川・金沢 puddle / social

w/DJ Nachu and more

2019年9月7日(土)愛知・名古屋 TIGHT ROPE

w/DJ Nachu

2019年9月8日(日)大阪・中崎町 NOON

w/DJ Nachu

2019年9月16日(月・祝)福岡・舞鶴 Kieth Flack

w/DJ Nachu and more

ツアー・ファイナル&ソロ3周年!

2019年9月23日(月・祝)東京・渋谷 CLUB QUATTRO

BAND:UP & COMING(ラブアンリミテッドしまだん,越智俊介,KAYO-CHAAAN,山下賢 and more)

DJ:新井俊也


official website
https://www.monariwakita.com/

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