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イックバル──日本のシティ・ポップへの憧れが生んだ、インドネシアからの逆輸入ポップス

2016.05.30

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80年代に席巻した日本のシティ・ポップから大きな影響を受けた、インドネシアのバンド──そんな触れ込みを聞くだけでも、大いに興味をそそられる。ソングライティングを手がけるボーカルのムハンマド・イックバルを中心とした4人組のポップ・バンド、それが〈イックバル〉だ。

2011年のクリスマス・イブに、インドネシアのバンドン(ジャカルタから200kmほど離れた、ジャワ島西部の都市)で結成されたイックバルは、山下達郎や角松敏生といった、ファンクやソウルのグルーヴを孕んだ日本のポップ・ミュージックに影響を受け、活動を開始したという。

オリジナル曲以外にもネット上で日本のポップスのカバーを数多く発表。山下達郎から松任谷由実、吉田美奈子から、電気グルーヴやキリンジといったミュージシャンたちの楽曲を取り上げては、自分たち流にアップデートしてバンド・サウンドの血肉としていった。



tofubeats「水星」のカバーがきっかけとなり、2013年4月には日本のレーベル”Maltine Records”よりファーストEP『Hope Your Smile』を発表(試聴&無料DLはコチラ)。その後、大阪を拠点にするアイドル・クループ=Especiaのアルバムに楽曲を提供するなど、耳の早いリスナーから注目を集めていく。

ついには、2014年10月にファースト・アルバム『Amusement Park』が日本国内盤としてリリース。堀込泰行(ex.キリンジ)を彷彿させる甘い歌声と美しいメロディラインが印象的なこのアルバムは、AORや80〜90年代のダンス・ミュージックのエッセンスを取り入れながら、ダフト・パンクやダーティ・ループス、ノーナ・リーヴス、tofubeats、一十三十一、宇宙人(Cosmos People)といった各国のシーンで活躍するミュージシャンたちが表現する現在のポップ・センスと共鳴していく。さらに2015年には2nd EP『Brighter』を発表。永井博のアートワークが実にしっくりとフィットする、アーバンでメロウな良質なポップスが詰まった掌編集に仕上がっている。

2015年に初来日しtofubeats、Negicco、Especia、スカート、星野みちるらと共演したイックバルが、2016年も来日ツアーを決行。インドネシアから日本へと逆輸入された現代のシティ・ポップは、どこか懐かしくも新鮮で、そしてとびきりに爽快な聴後感を与えてくれることだろう。

イックバル『Brighter』

イックバル
『Brighter』

(Hope Your Smile Records)


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イックバル
『Amusement Park』

(Hope Your Smile Records)



http://hopeyousmile.net/ (日本国内盤のレーベル)
https://www.facebook.com/ikkubaru

イックバル「seaside」 MV
イックバル「amusement park」 MV
イックバル「eternal lover」 MV

Live Schedule
IKKUBARU JAPAN TOUR
5月30日(月)東京・新代田FEVER
w/lyrical school, KOTOBA SELECT, Hatti Vatti & Lady Katee, Rysy
5月31日(火)京都・METRO
w/Special Favorite Music, Hatti Vatti & Lady Katee, Rysy, DJ Groh
6月3日(金)福岡 清川UTERO
w/中島孝&カキヒラアイ(from Hi-Fi CITY), UKO, CAKE(STEPHEN SMITHS), Made In Hepburn, ALTER EAGO, 浦郷えりか, 963, Stereo Fukuoka, 心斎橋てるお, DJありがとう, DJ Yuitz Tsuda, DJ どんたく(impulse)
6月4日(土)大分・別府温泉ホテルニューツルタ
w/中島孝, UKO
Hope Your Smile Records HPをご確認ください。


*本記事は2015年5月25日に初回投稿されたコラムに加筆修正したものです。

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