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2017年の夏に爽やかな風を届けるフィメール・シンガーたち──星野みちる/脇田もなり/ナツ・サマー

2017.08.14

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8月に入ってからというものカラッとした陽気はどこへやら、ジメッと身体にまとわりつくような空気が鬱陶しい今日この頃。そんな2017年の夏に、心地よい風とともに爽やかな歌声を届けてくれる、3人の女性ポップス・シンガーを紹介。


星野みちる

今年6月に通算4作目となるオリジナル・アルバム『黄道十二宮』をリリースした、星野みちる。3歳から19歳までクラシックピアノを習ってたという彼女は、2005年にAKB48のオープニング・メンバーに合格。グループ在籍時から作曲などを手がけ、才能の片鱗を覗かせていた。

2007年、シンガー・ソングライターとしての本格的に歩き出すためにAKB48を卒業。その後、地道に活動を続けていた彼女に転機が訪れたのが、2013年7月にリリースされたアルバム『星がみちる』。DJとして活躍するはせはじむと佐藤清喜(マイクロスター)がプロデュースを手掛けた本作は、レトロ・フューチャーなエレクトロ・ポップを基調としたサウンドと、星野の少し甘ったるいキュートな歌声が注目を集めた。

その後も小西康陽がプロデュースを手掛けたシングル「夏なんだし」など話題作を送り出してきた彼女の最新アルバム『黄道十二宮』は、沖井礼二(TWEEDEES、ex.Cymbals)、かせきさいだぁ、杉真理、TSUTCHIE(SHAKKAZOMBIE)、池永正二(あらかじめ決められた恋人たち)、ブルー・ペパーズなど若手からベテランまで多彩なミュージシャンが制作に参加。ビッグバンドを従えたスウィング調ポップス「流れ星ランデブー」を筆頭に、30代に突入した星野みちるの大人な魅力を多彩なアプローチで引き出した、長く愛せる聴きごたえ満点なポップ・アルバムに仕上がっている。



星野みちる official website
https://hoshino-michiru.officialsite.co/

星野みちる『黄道十二宮』

星野みちる
『黄道十二宮』

(VIVID SOUND)




脇田もなり

現在22歳の新進女性シンガー、脇田もなり。大阪を拠点に活動するガールズ・グループ〈Especia〉のメンバーとして2012年より音楽活動を開始。2016年2月にグループを卒業し、一時は表立った活動をしていなかったが、同年5月にインドネシアのポップバンド〈イックバル〉の来日公演にシークレット・ゲストとして登場。そのステージを現在所属するレーベル担当者が観ていたことがきっかけで、ソロ・シンガーとしての再始動につながったという。

拠点を東京に移し、2016年9月より音楽活動を再開。11月に「IN THE CITY」でソロ・デビューを果たすと、伸びやかで声質と柔軟なリズム感でグルーヴしていく脇田もなりの歌声と、はせはじむプロデュースによるアーバン・ディスコ・サウンドが高い評価を集める。その後も立て続けに2枚のシングルを発表し、2017年7月にファースト・アルバム『I am ONLY』をリリースした。

西寺郷太、福富幸宏、イックバル、矢舟テツロー、イリシット・ツボイ、KASHIF、YUI(バクバクドキン)など豪華ゲスト陣が参加した『I am ONLY』は、ファンク、ソウル、ディスコ、ヒップホップ、ハウス、アシッド・ジャズとダンス・ミュージックを基調にしたちょっと通好みなサウンドに、脇田もなりの歌声が持つ人懐っこさが重なって、フレッシュな魅力にあふれるポップ・アルバムが生まれた。

来る9月8日(金)には渋谷club asiaにて、バックバンドを従えての初ワンマン・ライヴが開催される予定だ。


脇田もなり official website
http://www.monariwakita.com/

脇田もなり『I am ONLY』

脇田もなり
『I am ONLY』

(VIVID SOUND)




ナツ・サマー

最後に紹介するのは、〈シティポップ・レゲエ・シンガー〉と銘打ってデビューした、ナツ・サマー。海沿いの街で暮らした幼い頃からレゲエやシティポップを聴いて育ったという彼女。

大人になり、DJとサーフィンを趣味に持つようになった彼女は、一十三十一らのプロデュースで知られるクニモンド瀧口(流線形)のバックアップにより、2016年夏にEP『夏・NATSU・夏』でデビューを果たす。UKレゲエの熱くなりすぎない質感を湛えたメロウなシティポップといった趣のサウンドと、決して歌い上げないイノセントなナツ・サマーのボーカルは中毒的に聴き手を虜にしていく。またe-mura(RUB-A-DUB MARKET)らのダブ・ミックスも収録し、コアなレゲエ・ファンからの話題も集めた。

最新作となるファースト・フル・アルバム『Hello, future day』は、前作から引き続きクニモンド瀧口が全編プロデュースを担当。ラヴァーズ・ロックな「恋のタイミング」「街あかり」をはじめ、スペーシーなエレクトロ・ファンク、80年代のリゾート感を匂わせるシンセ・ポップなど、シティポップ・レゲエという括りを超えた様々なサウンドを可憐に着こなしていく。


ナツ・サマー official website
http://natsusummer.com/
https://www.facebook.com/Natsu78Summer/

ナツ・サマー『Hello, future day』

ナツ・サマー
『Hello, future day』

(P-Vine)

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