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3月のナンバーワンアルバム⑤〜ホイットニー・ヒューストン/ワム!ほか

2019.03.07

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「TAP the COLOR」連載第332回〜WHITE〜

1990年代以降、ビルボードのアルバムチャートは売り上げに基づいた集計方法に変わった。さらにゼロ年代に入るとネット配信が普及してCDやアルバムが売れなくなった。その影響もあって現在のチャートはほぼ毎週のようにナンバーワンが入れ替わり、すぐにトップ10圏外へランクダウンしてしまう(その代わりに年に数枚だけビッグヒットが生まれる)。だが70〜80年代はナンバーワンになること自体が困難で、言い換えればそれらは「時代のサウンドトラック」として確かに機能していた。3月にはどんなアルバムがナンバーワンになったのだろう?


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ホイットニー・ヒューストン『Whitney Houston』(1985)
1980年代が生んだ偉大な歌手、ホイットニーの伝説的なデビュー作(14週1位)。邦題は『そよ風の贈り物』。カシーフ、ジャーメイン・ジャクソン、マイケル・マッサー、ナラダ・マイケル・ウォルデンらのプロデュースや楽曲すべてが奇跡的なクオリティ。強い心を持つことの大切さ、優しさ、美しさすべてを兼ね備えた永遠のバラード「Greatest Love of All」における彼女の歌唱は、このアルバムのハイライト。音楽界は本当に惜しい人を亡くした(2012年2月11日死去、享年48)。アメリカ盤のジャケット(写真下)はジョヴァンネ・デ・マウラを羽織っているが、日本盤は裏ジャケであるノーマ・カマリの水着写真が表に使用された。
(詳しくはこちらのコラムで)
ホイットニー・ヒューストンが一番大切にしていた歌「Greatest Love of All」



オリビア・ニュートン=ジョン『Have You Never Been Mellow』(1975)
上のホイットニーのデビュー作の邦題は『そよ風の贈り物』だったが、70年代のそよ風といえば、オリビアの本作(1週1位)だった。タイトル曲や「Please Mr. Please」が大ヒット。オリビアのチャート記録を振り返ると、シングルでのトップ10ヒットは15曲(うちNo.1は5曲)、アルバムのトップ10は5作(うちNo.1は2作)。

ワム!『Make It Big』(1985)
80年代に青春期を過ごした人なら、この二人組の名を知らない人はいないはず。日本でも中高生や若い女性を中心に大人気だったデュオ。本作は世界的なブレイクを果たしたセカンド(3週1位)。アメリカではジャケットが差し替えられ(写真下)、「Wake Me Up Before You Go-Go」「Everything She Wants」、そして「Careless Whisper」(ジョージ・マイケル名義)の3曲がナンバーワン・ヒットを記録し、600万枚以上を売り上げた。ジョージは2016年12月25日に53歳で死去。


ヴォーン・ミーダー『The First Family』(1962)
ホワイトハウス前に集う大統領ファミリー。これはジョン・F・ケネディのモノマネで大ブレイクしたヴォーン・ミーダーによるコメディ・アルバム。12週もチャートのトップに立って大ヒットした。当時のケネディ人気の高さが伺える。しかし暗殺後はミーダーの人気も降下してしまった。トランプ・ファミリーのコメディ・アルバムが大ヒットする日も近い!?

【執筆者の紹介】
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