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宇宙人(Cosmos People)

2014.09.01

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高校の同級生であった小玉(ボーカル、キーボード)と阿奎(ギター)によって2004年に結成された台湾のポップ・バンド、宇宙人(Cosmos People)。現在はベースの方Qを加えた3人組として活動している彼らが、『コスモロジー』で日本デビューを果たした。

2009年アルバム『宇宙人(Cosmos People)』でデビューするも、2010年に小玉と阿奎は兵役のために入隊し、バンドは1年半に及び活動休止を余儀なくされる。が、除隊後の2011年に、兵役時の体験を歌ったシングル「軍歌」を発表し、そのMVはYouTubeで60万回以上の再生を記録したという。2013年には、アメリカの大規模な音楽見本市〈SXSW〉にも出場し、本国を飛び越えて注目を集めようとしている彼ら。デビュー以来発表した2枚のフル・アルバムとEPからセレクトされた楽曲によって構成されたのが、今回リリースされたこの『コスモロジー』だ。

宇宙人(Cosmos People)の音楽を聴いてまずハッとさせられるのが、ブラック・ミュージックからの影響を強く感じさせる粘っこく太いリズム。もともと小玉と阿奎がダンス・ミュージックやファンクが好きなことから意気投合し、バンド結成に至ったという彼ら。70年代のファンク/ディスコから、マイケル・ジャクソンやプリンス、そしてファレルまでに繋がる系譜を感じさせる楽曲や、ラー・バンドあたりを連想させるグルーヴィなエレクトロ・ポップ、アーバンなジャズ・テイストまで、彼らの懐の深さを感じさせる多彩な作風が並ぶ。そこに小玉によるさわやかでキャッチーなソングライティング・センスが幹となって、宇宙人(Cosmos People)ならではのポップスとして収束させている。

2014年夏にはSUMMER SONICにも出演し、好評を集めた彼ら。日本盤のみのボーナストラックとして収録された、大滝詠一「幸せな結末」のカバーの洒脱さには、かつての渋谷系の薫りを感じたり──そう、自分が影響を受けた音楽への深いリスペクトと、今現在のヒップな気分をしなやかにシンクロさせてポップに昇華していくセンスが、宇宙人(Cosmos People)の音楽に言葉を超えてシンパシーを感じるポイントでもあるのだ。


pcd24359

宇宙人(Cosmos People)
『Cosmology』

(P-vine)


宇宙人(Cosmos People)official website
http://p-vine.jp/artists/cosmos-people
https://www.facebook.com/cosmospeople

宇宙人(Cosmos People)「一緒に走ろう」 MV
宇宙人(Cosmos People)「幸せな結末」カバー

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