レコードを聴くときの喜びは、まずジャケットのビジュアルから始まる。そっとレコード盤を取り出して、歌詞カードを目にしながらターンテーブルに載せる。最初の1行の歌詞を目にして、期待に胸がふくらんだ。
ガラスのジェネレーション さよならレボリューション
歌詞をざっと半分くらいまで目にして、回り始めているレコードの頭にそっと針を落ろす。スネアドラムの短いフィルに続いて、軽快にリズムを刻むピアノによる小気味良いサウンドが流れてきた。
佐野元春のヴォーカルはダブルトラックで、それまで耳にしたことがないポップで品のいい日本語だった。
ジェネレーションによって、レボリューションの意味は違ってくる。聴いている人が体験したこと、感じている時代の空気によっても、受け取り方はそれぞれだろう。
だが、歌の意味をどう解釈しようとも、瑞々しいヴォーカルと斬新なサウンドには、聴き手を高揚させる力があった。歌詞カードにもう一度目をやって、編曲者が伊藤銀次であることを知る。
大瀧詠一が作ったナイヤガラレーベルからデビューするはずだったバンド、大阪府出身のココナツ・バンクの元メンバーで、1976年には大瀧詠一と山下達郎の3人でアルバム『NIAGARA TRIANGLE Vol.1』を発表した才人だ。

シュガー・ベイブのゴキゲンな代表曲、デビュー・シングル「DOWN TOWN」を作詞したのが伊藤銀次だったことを思い出す。名曲誕生への期待が大きくふくらんでくる。こういう体験は、なかなか味わえないものだ。
最後まで聴き終えて、もう一度、気持ちの昂ぶりを確かめたくて、ピックアップをそっと持ち上げる。
そして回っているレコードの頭に、再び針を下ろす。
「見せかけの恋ならいらない」という意志表示も、「本当の事を知りたいだけ」という願いも、ジェネレーションには関係ない。
ピュアな気持ちを持っている人間に共通するのが純情と純潔。そこにはいつも「ひとりぼっちのドア」という悲しみがついてくる。
新しい時代の新しい音楽がやってきたことを確信した。1980年10月21日、「ガラスのジェネレーション」のレコードが発売になった。

No Damage
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【オトナの歌謡曲ソングブックコンサート in YOKOHAMA】開催

1917年に開館した横浜の歴史的建造物「横浜市開港記念会館」(ジャックの塔)で、昭和の名曲を愛する一流のアーティストが集ってコンサートを開催!
昭和に憧れる若い人からリアルタイムで昭和歌謡に慣れ親しんだ人まで、幅広い世代が一緒に楽しめるコンサートです! “国の重要文化財”という、いつもと違う空間が醸し出す特別なひとときを、感動と共にお過ごしください!!
▼日時/2025年6月7日(土曜) 開場17時/開演18時
▼場所/横浜市開港記念会館講堂(ジャックの塔)
▼出演
浜田真理子 with Marino(サックス)
畠山美由紀 with 高木大丈夫(ギター)
奇妙礼太郎 with 近藤康平(ライブペインティング)
タブレット純(司会と歌)
佐藤利明(司会と構成)
▼「チケットぴあ」にて4月5日(土曜)午前10時より販売開始 *先着順・なくなり次第終了
SS席 9,500円 (1・2階最前列)
S席 8,000円
A席 6,500円
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▼詳しい情報は公式サイトで
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