1994年9月6日。
ボルチモアのオリオール・パーク・アット・カムデン・ヤーズには、ウィリー・メイズをはじめとした往年のメジャーリーガーたちが集まっていた。彼らはファン同様、カル・リプケンの偉業を祝福するために、ボルチモア・オリオールズの本拠地スタジアムに足を運んだのである。
カル・リプケンは、ルー・ゲーリックがもっていた偉大なる2130試合という連続試合出場記録をこの日、塗り替えようとしていた。試合前の国家斉唱。主人公であるカル・リプケンのリクエストでマイクに向かったのは、ジョーン・ジェットだった。16歳の時、ランナウェイズとしてデビュー、その後、ジョーン・ジェット&ザ・ブラックハーツとして活躍したロック・シンガーである。

リプケンがプロ入りした1979年、ランナウェイズは解散。ジョーンは、ソロ活動を始めるため、イギリスに渡っている。この時、ジョーンはセックス・ピストルズのメンバーだったポール・クック、スティーヴ・ジョーンズと出会っている。ジ・アロウズの「アイ・ラブ・ロックンロール」を初めてカバーしたのは、彼らとのセッションだった。
カル・リプケンのメジャー・デビューは、1981年。真夏のカンザスシティ・ロイヤルズ戦だった。そして1982年。リプケンは晴れて、スターティング・ラインナップに名を連ねるようになる。当初は三塁手としての出場であったが、この年の7月、名将アール・ウィーバーにより、遊撃手にコンバートされている。偉大なる遊撃手、カル・リプケン誕生の瞬間である。
この年、リプケンは、打率264、28本塁打、93打点をマークし、アメリカン・リーグの新人王に輝いている。
ジョーン・ジェット&ザ・ブラックハーツの「アイ・ラブ・ロックンロール」がビルボード・チャートで7週連続ナンバーワンというビッグ・ヒットとなったのは、まさしくリプケンが鮮烈な印象を残した1982年のことであった。

NBCテレビのアメフト中継「NBCサンデーナイト・フットボール」のテーマ曲には、今でもジョーンの「I Hate Myself For Loving You」の歌詞をアレンジした「Waiting All Day For Sunday Night」が使われている。

*このコラムは 2018年9月に公開避されたものです。

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