★ダウンロード/ストリーミング時代の色彩別アルバムガイド
「TAP the COLOR」連載第105回
「女性ロッカー」と区別するのも無意味なほど現在では当然の存在だが、1960〜70年代ではそう呼ばれること自体まだまだ珍しかった。80年代のMTV時代になるとヴィジュアル性のニーズもあってようやく定着。90年代を迎える頃には、逆に女性アーティストの方が活躍する時代に入っていく。ここに挙げる4組は、その歴史を振り返るうえで必ず出逢うはずだ。
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ランナウェイズ『Live in Japan』(1977)
1976年にアルバムデビューした、当時まだ珍しかったガールズ・ロック・バンド。本国アメリカでは苦戦するが、下着姿で歌うシェリーやギターのジョーン・ジェットやリタ・フォードらの存在は日本で大人気となり、77年に来日公演して本作を録音。2010年には彼女たちの物語を映画化した『ランナウェイズ』が公開された。
ブロンディ『Greatest Hits』(2002)
70年代後半、ラモーンズやパティ・スミス、テレヴィジョンやトーキング・ヘッズらとともにNYパンクシーンから飛び出してきたブロンディは、次第にディスコやレゲエやラップなどの最新流行を取り入れてナンバーワンヒットを連発。紅一点デボラ・ハリーは80年代前半のセックスシンボルとなった。本作は数あるベスト盤の一つ。ポップな曲が並んでいてとても聴きやすいのが魅力。現在も活動中。
ハート『The Heart』(1985)
アンとナンシーのウィルソン姉妹を看板とするハートは、レッド・ツェッペリンのフォロワー的なハードロック・バンドとして活動。70年代後半にヒット曲を飛ばすが80年代前半は低迷。しかし、MTV時代に合わせるかのように、アンはサントラのラブソングを歌いつつ(『フットルース』)、バンドも85年に本作で大復活。ベストセラーを記録した。姉妹は今やロックの伝説的存在。
スキャンダル『Scandal EP』(1982)
パティ・スマイスを看板としたスキャンダルのデビューEP盤。84年には「The Warrior」のヒットが出るも、バンドは確執の中で解散。パティはソロ活動へ。ドン・ヘンリーとのデュエットなどで知られる。80年代を振り返るうえで見落としてはならない存在としてもっと再評価が望まれる。なお、パティはNYパンクのリチャード・ヘルやテニス選手のジョン・マッケンローと結婚。
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