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「TAP the COLOR」連載第366回〜YELLOW〜
1970年代後半〜80年代前半、イギリスで起こったNWOBHM(New Wave Of British Heavy Metal)をきっかけに世界へ広まった「ヘヴィメタル」。
その後、70年代から活躍するハードロックバンドに加え、LAメタル、スラッシュ・メタル、ネオ・クラシカル・メタルなど様々なジャンルが確立。MTVや音楽雑誌を通じて数々の人気バンドやギターヒーローが誕生した。
90年代のグランジ/オルタナ時代には時代遅れの対象にされるものの、ゼロ年代からは世代交代を経てシーンが再燃・活性化。音楽に限らず、映画やコミックやデザインなどポップカルチャーに与えた影響は計り知れない。アルバムジャケットに刻まれたバンドのロゴデザインにも注目してほしい。
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ジューダス・プリースト『Screaming for Vengeance』(1982)
「ヘヴィメタル」という言葉は彼らの音を表現するためにあるのかもしれない。1974年にレコードデビュー。『Stained Class』(1978)あたりから頭角を現し、『British Steel』(1980)で本国イギリスでの人気を決定的にする。そして本作ではアメリカでもダブル・プラチナムを売り上げてブレイク。「Electric Eye」「You’ve Got Another Thing Comin’」といった名曲を生み、ヘヴィメタルのマストアイテムの一つとなる。83年のUSフェスティヴァルにも出演。そのステージは圧巻。
デフ・レパード『Pyromania』(1983)
1980年にデビュー。アイアン・メイデンと並ぶNWOBHM(New Wave Of British Heavy Metal)の顔役的バンド。続くセカンド『High ‘n’ Dry』は早くもアメリカン・マーケットを意識し、プロデューサーにAC/DCやフォリナーらを手掛けたロバート・ジョン“マット”ランジを起用。そして本作ではMTVのプロモーションも好作用して全米だけで1000万枚。大ブレイクを果たす。「Photograph」「Rock of Ages」「Foolin’」といったシングルヒットを量産してポップ・メタルの起爆剤となった。
アンスラックス『Spreading the Disease』(1985)
メタリカ、メガデス、スレイヤーらと並んで「スラッシュメタル四天王」と呼ばれたこともあるアンスラックス。チャートアクションこそ100位圏外とはいえ、彼らの原風景が全編に鳴り響くパワーメタル。ジャケットデザインも80年代っぽくてクール。この時、誰が30年以上も続くバンドとなることを予想できただろうか。次作『Among the Living』(1987)は名盤。
クイーンズライク『Operation: Mindcrime』(1988)
1983年にEP『Queensrÿche』でデビューした頃は、無数のヘヴィメタル・バンドの一つという印象が強かったが、次第にプログレッシヴ・ロックとの融合がなされ、コンセプトアルバムの本作でプログレッシヴ・メタルとして昇華。今では名盤リストに欠かせない。ヘヴィメタルの奥深さが実感できる作品だ。
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【執筆者の紹介】
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