エマーソン・レイク・アンド・パーマー(ELP) は、1970年にキース・エマーソンとグレッグ・レイク、カール・パーマーの3人で結成されたイギリスのプログレッシブ・ロックバンドだ。
ELPの実質的なステージ・デビューは、その年の8月29日にワイト島で開催された「第3回ワイト島ポップ・フェスティバル」での演奏で、大観衆を驚かせたELPの壮絶なパフォーマンスとして語り継がれている。
クラシック音楽を大胆に取り入れたムソルグスキー作曲の『展覧会の絵』を、独自の解釈でライブで表現して評判になったのは1971年のことだ。
そして1972年に来日を果たしたELPは7月22日に後楽園球場で約35000人を集めたコンサート、「ロック・エクスプロージョン・スペシャル」を行って日本のロックファンに強烈なインパクトを与えた。
これは前年に開催された激しい雷雨で伝説となった後楽園球場のグランド・ファンク・レイルロード来日公演に続く、歴史的な「ロック・エクスプロージョン・スペシャル」となった。
前年同様、このときも雨の降る悪コンディションで機材の状態も不十分だったにもかかわらず、いかにもイギリスからやってきたロック・スターとしての振る舞いと、全身全霊を込めるかのような気迫に満ちたその日のライブは東京12チャンネル(現テレビ東京)から生中継された。
そしてそのライブ映像が、今では動画で試聴することが可能になっている。
映像は録画されたビデオをマスターにしているため決して良好ではないが、当時の迫力がしっかり記録されている。
後半に入って盛り上がってきたライブで、グレッグが急にB・J・トーマスの「雨にぬれても」を歌い出すと、それが観客席の緊迫感をゆるめて、少し空気が和んだ後でこの日のハイライト・シーンとなる「展覧会の絵」が始まる。(41分10秒~)
最後の「ロンド」では、キースがハモンドと格闘するという恒例のステージ・アクションを披露し、ハモンド・オルガンの鍵盤にナイフを刺して音をキープするという場面になると、日本公演用のために日本刀を使うというサービス精神で、圧巻のパフォーマンスを見せた。
それまでにもジミ・ヘンドリックスのギターに火をつけるパフォーマンスや、ピート・タウンゼントのギターを壊すパフォーマンスといった過激なものはいくつかあったが、日本に来てそういった類のものを披露したはキース・エマーソンがはじめてだったと思われる。
ちなみにこの時のステージは夜8時からの生中継だけでなく当日の深夜にも再放送されたのは、まだ家庭用ビデオがない時代だったからで、コンサートを見に行った人たちには大いにありがたかったようだ。
後楽園球場を埋め尽くした大観衆のほとんどにとって、メンバーの動きなどは遠くで動く豆粒のようにしか見えなかった。
GFRの時もそうだったが、当時はステージはセカンドベースの上に設置されていて、客席はスタンドのみだったのだ。
そのときのことをキースは自伝でこう綴っている。
いろいろな事情で、私たちと観客との間には大きな距離があったが、客がだんだん盛り上がってきている様子が伝わってきたので、私たちも元気づけられた。
ELPは迫力のある演奏で観客に応え、両者の大きな距離を忘れさせるほど会場は熱気に包まれるのだった。

●Amazon Music Unlimitedへの登録はこちらから
●AmazonPrimeVideoチャンネルへの登録はこちらから
★大切なお知らせ★
【ご支援ご協力のお願い】
「音楽が秘めた力を、もっと多くの人々に広めたい」「音楽が持つ繋がりや物語を、次の世代に伝えたい」
音楽コラムサイト『TAP the POP』は、今後の活動に向けてクラウドファンディングを実施中です。
“ここでしか手に入らない”グッズや書籍のリターンをご用意しました。
この機会にぜひ❝音楽愛❞を一緒に育ててくれませんか。応援よろしくお願いいたします(下記の「音楽愛」ページで経緯や想いを綴りました)。
~リターンメニューのご紹介~
♪Tシャツ、パーカー、キャップなど7種の限定デザイン&ロゴ入りグッズ
♪約4,000本の原稿から厳選するベスト盤的書籍
♪ご支援いただいた全員の方を「音楽愛メンバーの証」として特設ページで名前入れ
▼ TAP the POPクラファン「音楽愛」ページ(CAMPFIRE内)
https://camp-fire.jp/projects/view/811070
●CAMPFIREでアカウントを作成してから(簡単にできます)、TAP the POPのクラファンページに「お気に入り登録」をよろしくお願いします。最新情報がいち早く届くのでオススメです。
●「音楽愛」に共感してくれそうなお友達やお仲間がいたら、TAP the POPのクラファンページをシェア・拡散してください。よろしくお願いいたします。