「本物の音楽」が持つ“繋がり”や“物語”を毎日コラム配信

TAP the POP

TAP the DAY

あんたのバラード〜解散を決めていたバンドが掴んだレコードデビューのチャンス、裏事情を抱えながら世良公則がプロを決断した理由とは?

2022.05.20

Pocket
LINEで送る



この世良公則&ツイストのデビューシングル「あんたのバラード」は、1977年11月25日にリリースされた。
クレジットには作詞作曲:世良公則と記されている。
この発売前月に同曲がポプコン本選会でグランプリを獲得した。
フォーク系シンガーの登竜門として知られたポプコンでロックバンドがグランプリを獲るのは初めてのことで、当時はひとつの“事件”として大きな話題となった。
翌月に開催された第8回世界歌謡祭でもグランプリに輝き、わずか12日後の11月25日にキャニオンレコードからリリースされたのだ。
このグランプリの受賞直後に世良はインタビューを受け、こんなことを語っていた。

「このバンドでプロとしてやるかどうかはわからない。大阪に帰ってみんなと相談します。」

この“みんな”とは誰のことだったのだろう?
世良には(当時のメンバーの)ツイストで歌い続ける意志がなかったという。
実は、バンドは大学の卒業を機に解散することが決定していたというのだ。
ポプコンに出場したのは、その“ケジメ”をつけるためだった。
コンテスト終了後は、世良と同じ大阪芸術大学大学の同級生で別バンドにいて仲の良かったふとがね金太と新バンドを結成しようと約束していたというのだ。
結局、世良はふとがねとの約束を守り、バンドは予定通り解散させ神本宗幸を残し、ふとがねと新メンバーを急ぎ探した。
ふとがねの金太バンドにいた大上明と、関西で名前が知られていた鮫島秀樹、太刀川伸一を勧誘して1977年12月21日、新メンバーで“世良公則&ツイスト”を結成した。このメンバーが、後に一般に知られるツイストなのだ。
そんな裏事情を抱えながら…世良は幸か不幸かコンテストに勝ち抜いてレコードデビューまで果たしてしまったのだ。
最終的に、世良にプロデビューを決意させたのは“悔しさ”だったという。
一体どういうことなのだろう?
世良は当時のことをこう振り返る。

「俺がプロを目指して日々頑張っていたとき、おふくろが“お前のやっている音楽はどんなものなんだ?”と訊いてきたから“矢沢永吉って知ってる?”と答えると“知らない!”という。ものすごく歯がゆかった。俺がプロになりたいと思っている職業を世間はあまり知らない。古賀政男や美空ひばりのことは知っていても、内田裕也は知らないという社会に対して一矢を報いてやりたいという気持ちがあったんです。テレビに出ている歌だけが日本の歌だと思われている現実に対して“こんなものもあるんだぞ!”と言いたかったんです。」

彼は“ロックは食えない”という定説や現実に対する反発をバネにプロになることを決意する。
1977年11月25日にリリースされた「あんたのバラード」は、あっという間に50万枚を超える大ヒットとなり、その後も世良の代表曲として多くのファンに愛され続ける楽曲となった。
翌1978年にリリースしたデビューアルバム『世良公則&ツイスト』は、アルバムチャートで初登場1位を記録。
その後も「宿なし」「燃えろいい女」「銃爪(ひきがね)」などヒットを連発。
当時、ロックバンドの曲がシングルヒットを続けるのはそれまで前例が無かったという。
世良は“御三家”と言われたChar、原田真二と共にロックをお茶の間に持ち込むことに成功する。
不良の音楽と言われていたロックに市民権を与えたという意味でも世良公則&ツイストの功績は大きいと言えるだろう。


<引用元・参考文献『フォーク名曲事典300曲』/富澤 一誠(ヤマハミュージックメディア)>

【世良公則オフィシャルサイト】
https://seraproject.com



こちらのコラムの「書き手」である佐々木モトアキの音楽活動情報です♪
宜しくお願い致します。










【佐々木モトアキ×Keith “唄うたいと雷神”】

6月18日(土)金沢JealousGuy
6月19日(日)富山・高岡GOOD FELLOWS
6月25日(土)高円寺MOONSTOMP
7月22日(金)青森Be on café 222
7月23日(土)岩手・二戸 HOUSE OF PICNIC 
7月24日(日)秋田Yuki’s Hookah Bar(昼公演)
7月24日(日)秋田Yuki’s Hookah Bar(夜公演)

↓チケットご予約&公演詳細・共演者情報はこちら
https://ameblo.jp/sasakimotoaki/entry-12733597546.html






【歌ものがたり2022 雨ニモマケズ風ニモマケズ】


5月3日(火・祝)福岡・みやま市 暖古扉(だんぶるどあ)
5月4日(水・祝)大分・日田Chewing Gum
5月14日(土)横浜Bar Brixton Market
5月15日(日)静岡・三島 ぐらBar’s
5月21日(土)群馬・前橋 呑竜横丁 
5月27日(金)名古屋ROLLINGMAN
5月28日(土)和歌山OLD TIME
5月29日(日)大阪 大きな輪
6月3日(金)小倉Bar Disa
6月4日(土)福岡Bar KINGBEE
6月5日(日)行橋Rock ‘n Roll Bar Memphis
6月10日(金)広島Jammin’ bar
6月11日(土)広島・呉Albatross
6月12日(日)岡山Record BAR COZY
6月17日(金)新潟Gallery Bar Veronica
6月18日(土)金沢JealousGuy
6月19日(日)富山・高岡GOOD FELLOWS
6月25日(土)高円寺MOONSTOMP
7月2日(土)北九州・黒崎 居酒屋 中村屋
7月3日(日)大分・宇佐 音小屋REBOOT
7月8日(金)福岡Bassic Rock Fes. 2022前夜祭@graf
7月9日(土)佐賀 雷神 
7月10日(日)長崎 タンゲ食堂
7月16日(土)米子Music Bar Hana Hana
7月17日(日)鳥取LOVE FLASH FEVER
7月18日(月・祝)松江B1
7月22日(金)青森Be on café 222
7月23日(土)岩手・二戸 HOUSE OF PICNIC 
7月24日(日)秋田Yuki’s Hookah Bar(昼公演)
7月24日(日)秋田Yuki’s Hookah Bar(夜公演)
7月30日(土)静岡・御前崎Cook House椿
7月31日(日)愛知県・東海市Funky LIVE Dinerダイナマイト
8月6日(土)東京(調布市)柴崎RATHOLE



↓チケットご予約&公演詳細・共演者情報はこちら
https://ameblo.jp/sasakimotoaki/entry-12733736025.html





佐々木モトアキの楽曲「You」のミュージックビデオです♪
映像編集、ポートレート(写真)撮影共に、佐々木モトアキ本人が手掛けております。
とてもシンプルな技法ですが、何よりも登場する皆さんの表情が素敵です✨
人が“目を閉じている”表情。
その“瞼(まぶた)に浮かんでいる”誰かの顔。
繋がってゆく“一人ひとりの想い”が、100通りの、いや1000通りのドラマを描いてくれています。





佐々木モトアキ
執筆、動画編集、音楽・食・商品・街(地域)に関わるPRなどなど…様々なお仕事承ります。

例えば執筆・編集のお仕事として、、、
「ロック」「ジャズ」「ブルース」「R&B」「シャンソン」「カントリーミュージック」「フォークソング」「歌謡曲」「日本の古い歌」など、ほぼオールジャンルのページ企画・特集に対応いたします。
ライブイベントの紹介・宣伝文や、アーティストの紹介文なども対応できます。
音楽以外のライティングとして、WEBページの作成・リニューアル、各種パンフレット作成に伴う「店舗のご紹介」「メニューご紹介」「企業・会社のご紹介」「商品のご紹介」などなど様々なPRに関わるお仕事も承ります。


音楽、人、食、商品、街(地域)…私たちが関わるものすべてには“ものがたり”があります。
あらゆるものに存在する、ルーツや“人の想い”を伝えながら「誰が読んでもわかりすい読み物」をお作りいたします✒︎
お気軽にご依頼のご相談・ご連絡ください♪
sasa@barubora.jp
090-2669-2666

【佐々木モトアキ プロフィール】
https://ameblo.jp/sasakimotoaki/entry-12648985123.html

【TAP the POP佐々木モトアキ執筆記事】
http://www.tapthepop.net/author/sasaki


Pocket
LINEで送る

あなたにおすすめ

関連するコラム

[TAP the DAY]の最新コラム

SNSでも配信中

Pagetop ↑

トップページへ