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Drop’s ~痛快!女だけで鳴らす熱いブルーズ・ロック

2018.04.02

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初めて彼女たちの演奏を聴いたのが「赤のブルーズ」だった。
荒削りだが、ガールズ・バンドの音とは思えないその迫力には度肝を抜かれた。

赤のブルーズ



Drop’sは2009年、札幌の高校で出会った中野ミホ(vo, gt)、荒谷朋美(gt)、小田満美子(ba)、石橋わか乃(key)、奥山レイカ(dr)の5人で結成された。
そして翌年には高校生バンドコンテストでグランプリを獲得、2011年、高校3年生の時にインディーズ・レーベルよりミニアルバム『Drop’s』でデビューする。
このアルバムの1曲目に収録されているのが「赤のブルーズ」。
高校3年生の女子が作ったとは思えないほどの、男勝りなブルーズ・ロックが痛快だ。
特に中野ミホの太くハスキーなヴォーカルの力強さは、最近の若手バンドの中では他に類を見ないと言っていいくらいだろう。

2013年には、キング・レコードより初のフル・アルバム『DAWN SIGNALS』で、メジャー・デビューを果たし、同アルバムでCDショップ大賞の北海道ブロック賞を受賞した。

その音楽性からかライブ会場では 、彼女たちよりも年齢層の少し高い男性のコアな音楽ファンの姿が目立つ。
しかし、順調にキャリアを積み重ねていく中で、映画への挿入曲や、少しポップな路線の歌をリリースするなどし、同世代の女性からも徐々に支持を集めているようだ。


中学生の頃は、The Birthdayやミッシェル・ガン・エレファントを好んで聴いていたというヴォーカルの中野。
その後、自身の音楽のルーツを辿っていく中で、アナログ・レコードの音や1960~70年代の音楽、そしてブルースに出会ったという。

私の好きなフィーリングがブルースなんだって分かったときに、じゃあマディ・ウォーターズを聴いてみようと。でも、そこで衝撃を受けたとかではなくて、ストーンズも最初はそんなにピンときてなかったんですね。でも、ストーンズを初めてアナログのレコード盤で聴いたときに、それまでとは全然感じが違って、“カッコいい!”と思ったんです。
(~2014年8月ぴあ関西版WEBインタビューより)

Drop’sの力強いブルーズ・ロックに乗せて歌われる歌詞は、等身大の女心だ。きっと同じ女性にも共感を得られるはずと、揺れながらも彼女たち自身のブルーズを、さらに深めてきたのだった。

しかし2016年、奥山レイカが健康上の理由でやむなく脱退。
また、2017年には石橋わか乃が勉学との両立のため1年間の休業となった。
そして残る3人は東京へ拠点を移し、新ドラマーに石川ミナ子を迎え入れた。

4人となった彼女たちは、2017年からLINE LIVEにて月1回、スタジオ生ライブなどを放映する生放送の番組「Drop’sのアイスクリーム・テレビ」を始める。(番組は2018年3月に終了)
そうして徐々にファンを拡大し、放映されたライブの一部が2017年12月にYouTubeでも公開された。

スタジオ・ライブの動画からは、ブルーズ・ロックを生き生きと演奏している彼女たちの姿が好ましい。
そして何よりも気持ちのいいリズムを刻む石川のドラム、さらにパワーアップした荒谷のギターと小田のベースが、力強い中野のヴォーカルとからみ合う。
ますますブルージーに、そして力強く、これからも目が離せないDrop’sなのだ。


こわして


空はニューデイズ


Drop’s ONEMAN LIVE 「APRIL FIRST CLUB ’18 in NAGOYA」
4月5日(木)CLUB UPSET

Drop’s ONEMAN LIVE 「APRIL FIRST CLUB ’18 in OSAKA」
4月6日(金)LIVE SQUARE 2nd LINE


Drop’s Official Site
http://drops-official.com



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