「本物の音楽」が持つ“繋がり”や“物語”を毎日コラム配信

TAP the POP

TAP the CHANGE

バンジョーからエレクトリック、そしてアフリカンへ~マムフォード・アンド・サンズの尽きない好奇心

2025.01.30

Pocket
LINEで送る

2015年にリリースされたマムフォード・アンド・サンズの3rdアルバム『ワイルダー・マインド』は、ファンはおろか音楽業界をも大きく驚かせる内容だった。

それまでの彼らはバンジョーを主体にしたアコースティックなサウンドが特徴で、エレクトリックな音楽が流行っていた2010年前後の音楽チャートに新しい風を吹かせた存在のひとつだった。

ブルーグラスやフォーク、カントリーの香りを出しつつも独創性と新鮮さを感じさせ、2枚目のアルバム『バベル』(2012年)では、グラミー賞で最優秀アルバム賞を受賞するという、最大級の成功を収めた。

それから3年の月日を経て発表された『ワイルダー・マインド』では、なんとバンジョーといったアコースティックな楽器を封印し、エレクトリックに転身したのである。

それまでのサウンドを求めていたファンにとっては大きく裏切られる内容となったが、一方ではこの変化を歓迎する声もあり、賛否両論を巻き起こす作品となった。


しかし、彼らはエレクトリックに向かったと思いきや、またもや違う方向へと向かったのである。

それは2016年1月のことだ。

この年、彼らは初となる南アフリカでの公演に望むこととなった。ボブ・ディランやブルース・スプリングスティーンなど、様々なアーティストとステージで共演してきた彼らは、南アフリカ公演でも地元のバンド、ベアテンブルクをはじめとして、いくつかのアーティストと共演を果たしている。

中でも印象的なのがセネガルの国民的アーティスト、バーバ・マールとの共作、「ゼア・ウィル・ビー・タイム」だ。
マムフォードの音楽にバーバの力強くソウルフルな歌声、そしてパーカッシヴなサウンドが加わり、『ワイルダー・マインド』ともまた違った一面を見せている。


さらにはツアーの合間をぬって現地のスタジオに入り、レコーディングにも臨んだ。とは言っても具体的なプランがあったわけではなく、上手くいかなければお蔵入りになる可能性もあったという。

案の定、初日は機材トラブルに見舞われ、思うような作業ができなかった。しかし、2日目は一変して充実したセッションとなり、それらは6月に5曲入りのEP『ヨハネスブルグ』としてリリースされることになった。


南アフリカでの挑戦について、メンバーの一人であるテッド・ドウェインはローリング・ストーン誌でこのように話している。

「僕たちの中にアフリカ音楽の専門家は一人もいない、だからこそ僕たちはやりたかったし学びたかった、その場所と関わりたかったんだ」


また、バンドの中心であるマーカス・マムフォードは別のインタビューで、レコーディングした音源の数々をミックスして完成させる作業が本当に楽しかったと話している。

「僕らにとってはたくさんのおもちゃをおもちゃを手にしたようなもので、心の底から面白い音楽を作り、そしてそれを楽しんでいると感じたよ」


マムフォード・アンド・サンズが求めるのは成功ではなく、純粋に音楽を楽しむということだ。彼らの好奇心が尽きない限り、これからもマムフォード・アンド・サンズの音楽は変わり続けていくのだろう。

*このコラムは2018年10月に公開されました。

Mumford & Sons『Johannesburg』
Universal

●Amazon Music Unlimitedへの登録はこちらから
●AmazonPrimeVideoチャンネルへの登録はこちらから

★2つの大切なお知らせ★


【スペシャルライブイベント開催】

TAP初イベント『音楽愛』(ONGAKU LOVE)のチケット販売がスタートしました!
豪華6組弾き語り&バンドが出演。一夜限りのライブ&トークセッション!!
二度とない組み合わせ。これは本当に貴重な体験になると思います。

2025.2.28 FRI
横浜 ReNY β
OPEN18:00/START18:30


▼スペシャルライブイベント『音楽愛』について
https://www.tapthepop.net/extra/127354

▼出演
冷牟田竜之(ex東京スカパラダイスオーケストラ/Taboo)
山口洋 (HEATWAVE)
ショコラ&アキト(片寄明人/ GREAT3)
イエロースタッズ
THESE THREE WORDS(冷牟田竜之)
金子駿平
佐々木モトアキ
吉澤成友(YOUR SONG IS GOOD)



★チケット入手方法

※「通常チケット「スペシャルチケット」の2種類があり、受付ルートが異なります。

①通常チケット
受付 : e+(イープラス)
受付期間 : 2025年1月26日(日)12:00~(なくなり次第終了)
料金 : ¥6,600

※音楽愛の特設ページへの名前入れはありません。

▼通常チケットの購入はこちらから
https://eplus.jp/sf/detail/4257420001-P0030001P021001?P1=1221

②スペシャルチケット
受付 : CAMPFIRE(クラウドファンディング)
受付期間 : 2025年1月13日(月)~2月20日(木)
料金 : ¥8,000~¥50,000

※スペシャルチケット(体験型・支援型・グッズ付き/すべて数量限定)

▼スペシャルチケットの詳細・お申し込みはこちらから(CAMPFIRE内)
https://camp-fire.jp/projects/view/811070


【ご支援ご協力のお願い】

「音楽が秘めた力を、もっと多くの人々に広めたい」
「音楽が持つ繋がりや物語を、次の世代に伝えたい」
音楽コラムサイト『TAP the POP』は、今後の活動に向けてクラウドファンディングを実施中です。



豪華6組の弾き語り&バンドが出演する一夜限りライブの「スペシャルチケット」をはじめ、参加できない人のために、“ここでしか手に入らない”グッズや書籍のリターンをご用意しました。

この機会にぜひ❝音楽愛❞を一緒に育ててくれませんか。どうぞよろしくお願いいたします。

~リターンメニューのご紹介~
♪初開催ライブイベントのスペシャルチケット(数量限定/2月20日締切)
♪Tシャツなど7種の限定デザイン&ロゴ入りグッズ
♪約4,000本の原稿から厳選するベスト盤的書籍
♪ご支援いただいた全員の方を「音楽愛メンバーの証」として特設ページで名前入れ

▼ TAP the POPクラファン「音楽愛」ページ(CAMPFIRE内)
https://camp-fire.jp/projects/view/811070

●CAMPFIREでアカウントを作成してから(簡単にできます)、TAP the POPのクラファンページに「お気に入り登録」をよろしくお願いします。最新情報がいち早く届くのでオススメです。
●「音楽愛」に共感してくれそうなお友達やお仲間がいたら、TAP the POPのクラファンページをシェア・拡散してください。よろしくお願いいたします。

Pocket
LINEで送る

あなたにおすすめ

関連するコラム

[TAP the CHANGE]の最新コラム

SNSでも配信中

Pagetop ↑

トップページへ