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琴線に触れる“ロッキンフォーク”を紡いだ男、ロニー・レーンの功績と足跡

2026.06.03

1997年6月4日、コロラド州ラスアニマス郡にあるトリニダードという小さな街で、一人才能豊かなミュージシャンがこの世を去った。男の名はロニー・レーン。

イギリス出身の彼は、スモール・フェイセズ、そしてフェイセスのメンバーとして活躍したことで知られていた。バンド時代はベーシストとしてのイメージが強いのだが、作曲家、クリエイターとしてのセンスは秀逸だった。

決してメジャーな存在ではなかったが、ロン・ウッドやクラプトンを始めとする一流ミュージシャンとの交友が深かったことでも知られている。

また、ポール・ウェラー、クラッシュのミック・ジョーンズ、セックス・ピストルズのグレン・マトロック、バズコックスのスティーヴ・ディグル、ウルトラヴォックスのミッジ・ユーロなど、ロニーから影響を受けたミュージシャンも多い。

1973年、27歳の時に人気絶頂だったフェイセズを脱退。後に結成したスリム・チャンス(ロニー・レーン&スリム・チャンス)では、曲芸師やダンサーなどを引き連れて、トレーラーに乗ってまるでサーカスの一団のように英国中を旅していた。

移動式のレコーディングユニットを実用化して、ローリング・ストーンズなどに貸し出したこともある。後にストーンズも同様のスタジオを所有するようになるのだが、そのアイデアはロニーの発想から生まれたものだった。

また、スリム・チャンスでの活動の他にも、1976年から1977年にかけてロン・ウッドやザ・フーのピート・タウンゼントらとそれぞれ共作アルバムを発表したりもしている。

ロニーが創り出す音楽の特徴を、当時ある音楽媒体の関係者が“ロッキン・フォーク”と言い表したという。ジャンルとしてはロックの部類なのだが、作品にはマンドリンやらアコーディオンやらフィドルなどの楽器が頻繁に登場し、どこか懐かしい耳触りで、琴線に触れるのだ。

バンド時代のボーカリストだったスティーヴ・マリオットやロッド・スチュワートのような圧倒的な存在感はないのだけれど、素朴で親しみ溢れる“味のある”歌声が特徴だった。

派手さはなかったものの、着実にキャリアを重ねていた矢先…31歳を迎えた1977年に、多発性硬化症という病気を発症。徐々に運動麻痺を併発するようになり…音楽活動を続けるには困難な状況となる。

1980年代にはアメリカに移り住み治療を続け、一時は活動を再開して、44歳の頃(1990年)には日本公演@川崎クラブチッタも実現させている。

来日公演から7年後の1997年6月4日、アメリカ合衆国コロラド州ラスアニマス郡にあるトリニダードという小さな街で、ロニーレーンは51歳で永眠した。

ロニー・レイン&スリム・チャンス

執筆者
【佐々木モトアキ プロフィール】
https://ameblo.jp/sasakimotoaki/entry-12648985123.html

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