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ショッキング・ブルーの名曲「Venus」

2023.01.19

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山頂の女神  銀色に輝く炎
美と愛の極致 その名もビーナス
あなたの欲望に火をつける
私はあなたの愛の女神
あなたの欲望を燃やすのよ


1970年(昭和45年)2月20日、オランダを代表するグループ、ザ・ショッキング・ブルーの「Venus」(日本グラモフォン)が日本で発売された。
同年の国内ヒットソングといえば…
1位「黒ネコのタンゴ」/皆川おさむ
2位「ドリフのズンドコ節」/ザ・ドリフターズ
3位「圭子の夢は夜ひらく」/藤圭子
という記録が残っている。
大阪万博が開幕し、日本航空機よど号ハイジャック事件発生、空前のボーリングブーム、そして“ウーマン・リブ”(Women’s Liberation の略で女性自身の手による女性解放運動を意味する)という言葉が流行した年でもある。


彼らの本国オランダでは1969年7月に発売され、アメリカのBillboard誌Hot 100では1970年2月7日に週間ランキング第1位を獲得。
同誌1970年の年間ランキングで第22位を記録し、グループ最大のヒット曲となった。
また、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、ベルギーでも週間チャート1位を獲得。
日本ではオリコンチャートで最高2位、洋楽チャートでは1970年3月9日付から12週連続1位を獲得し、1970年度の年間1位にも輝いた大ヒットソングである。
また、1986年にイギリスの女性3人組バナナラマがカヴァーし、再び全米1位に輝いている。
作者クレジットにはグループのギタリスト、ロビー・ファン・レーベンの名が記されている。
1960年代にオランダでモーションズというグループで活躍していたロビー・ファン・レーベンが1967年に新グループとして結成した彼らは、当時流行していたサイケデリックカルチャーに呼応して生まれたバンドだった。
結成当初は、シタールなどをフィーチャーした楽曲が多かったという。
元々は女性ボーカルのマリスカ・ヴェレスは在籍していなかった。 
1968年、グループのマネージャーが、あるパーティーで歌っていたバンブル・ビーというバンドにいたマリスカを気に入り、メンバーに勧誘したのがきっかけだった。
マリスカはハンガリーとドイツのハーフで、ジプシー・オーケストラでバイオリンを弾いていた父親と共に幼少の頃から歌を唄っており、ショッキング・ブルーに加入する前にも、若くしていくつかのバンドでボーカルを担当してきたキャリアの持ち主だった。



彼女の武器はその透き通った瞳
男をみんな狂わせる
暗黒の闇夜の様でもあり
誰にもない一面がある


世界中の音楽ファンに愛され続けているこの曲は、20世紀屈指のダンスナンバーとして定着している。
またこの曲は、ママス&パパスのキャス・エリオットがかつて在籍していたアメリカのフォークグループ、ザ・ビッグ・スリーが1963年に発表したシングル「The Banjo Song」にインスパイアされた曲だとも言われている。

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