実に15年ぶりの新作である──真城めぐみ(vo)、木暮晋也(g,vo)、中森泰弘(g,vo)の3人によって1994年に結成された〈ヒックスヴィル〉。それぞれが売れっ子プレイヤーとして活躍する彼ら。小沢健二、オリジナルラブ、キリンジ、フィッシュマンズ、畠山美由紀、レキシ、堂島孝平、bonobos、かせきさだぁ、ホフディラン、曽我部恵一、初恋の嵐、スチャダラパー……と、これまでに3人がサポートしてきたアーティストを列挙していくだけでも、彼らがいかに多くのミュージシャンたちから信頼を受け、愛されていることがわかるだろう。
1996年にシングル「バイバイブルース」でメジャーデビューしてから、3枚のアルバムを発表。その後は個々の活動がメインとなっていたが、ヒックスヴィルとしての活動もマイペースながら続けてきた。2013年に再録ベスト『SONG RECYCLE』を会場限定でリリースして以来、ヒックスヴィルの本格的な再始動の機運が高まる中、(まさにタイトル通り)待ちに待ったニュー・アルバムが『WELCOME BACK』がリリースされた。
木暮晋也がメインにソングライティングを担当して生まれた10曲からなるアルバムのレコーディングには、鹿島達也(b)、坂田学(ds)、矢部浩志(ds)、斉藤哲也(key)、武嶋聡(sax)など腕利きたちが集結。南国テイストがほのかに薫る「レトロピカーナ」で幕を開ける本作は、60年代SSWの空気をまとった名バラード「FLY AWAY」、ビーチ・ボーイズを彷彿させるコーラスワークも美しい「今年のクリスマスソング」、オールドタイミーなサウンドが楽しいフォーク「ビデオテープ」、ニューウェイヴ感覚のサウンドが楽しい「LOVE♡SONG」……と、フォーク・ロックを基調としながらも、3人の豊穣なバックグラウンドが様々なアプローチで織り交ぜられ、実にカラフル。さらには、木暮がかせきさいだぁとの共作ででんぱ組inc.に提供した「くちづけキボンヌ」のセルフカバーも収録。これがまた、オリジナルとはまた違う魅力にあふれた好カバーとなっている。
3人のコーラスとギターの音色だけで奏でられた「サンセット サンライズ」、そしてヒックスヴィル流シティポップの決定打といえよう「皆既月蝕」でアルバムは幕を閉じる──暮らしに自然と溶け込むようにフィットする聴後感で、また最初からリピートしたくなる。
ヒックスヴィル『WELCOME BACK』特設サイト
http://kogureshinya.com/styled-3/index.html
ヒックスヴィル official website
http://kogureshinya.com/styled-3/index.html
ヒックスヴィル「今年のクリスマスソング」(Lyric Video)
WELCOME BACK TOUR
2015年3月15日(日)北海道・札幌 レストランのや
2015年3月21日(祝)愛知・名古屋 Cafe Dufi
2015年3月22日(日)大阪・digmeout ART&DINER
2015年3月29日(日)東京・代々木 Zher the ZOO YOYOGI
詳しくはヒックスヴィル『WELCOME BACK』特設サイトを参照ください。