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ジャニス・イアンの「Love is Blind(恋は盲目)」が日本で発売された日

2023.07.21

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恋は盲目 ただ悲しく 恋に明日はない
あなたが去ってしまってから…
あなたを忘れてしまえるまで どれほどかかるだろう? 
あの思い出を忘れるべきなの?
今だって燃え続けているわ
私たちが出逢ったあの日からずっと…



1976年(昭和51年)7月21日、ニューヨーク州出身のシンガーソングライター、ジャニス・イアンの「Love is Blind(恋は盲目)」(CBSソニー)が日本で発売された。
同年の国内ヒットソングといえば…

1位「およげ!たいやきくん」/子門真人
2位「ビューティフル・サンデー」/ダニエル・ブーン
3位「北の宿から」/都はるみ

モントリオール五輪が開催され、鹿児島で日本初の五つ子生まれ、アントニオ猪木対モハメド・アリの異種格闘技戦に日本中が熱狂し、焼そばUFOやどん兵衛(共に日清食品)がヒットし、「記憶にございません(ロッキード事件の国会証人喚問で、証人質問に対する言い逃れ)」という言葉が流行した年でもある。



メランコリックなメロディーに恋の刹那と別れの悲しみを乗せたこの楽曲は、1976年に放映されたテレビドラマ『グッドバイ・ママ』(TBS)の主題歌として使われ、日本でのみヒットした歌である。
当時、本国アメリカではヒットしなかったのに、日本のオリコンチャートだけで1位となった珍しいパターンのヒット曲だったという。
レコードのライナーノーツには、TVドラマのプロデューサーが曲との出会いについてこんなコメントを寄せている。

「主題歌を探していた当時、行きつけのレコード屋に“可愛い女の子のレコードがあったら持って来て”と言ったら、その中にジャニス・イアンのレコードが含まれていたんです。」

『グッドバイ・ママ』は、市川森一の脚本を同局の名作ドラマ『岸辺のアルバム』(1977年/原作・脚本:山田太一)なども手掛けた堀川とんこうがプロデューサー/ディレクター/監督を担当して制作されたもの。
事故死した愛人の子どもを産んだ若いヒロインが、自身も再生不良性貧血に冒され1年の余命しかないことを知り、残された子どものために父親探しをする姿を描いた物語だった。
当時、女優として頭角を現していた坂口良子が主人公の母親役を熱演。
共演者には宇野重吉、中条静夫、大門正明、篠田三郎、平幹二朗、渡辺篤史、柴俊夫、岡田裕介、伊東四朗、風間杜夫など、ベテランから(当時の)若手俳優まで多彩な顔ぶれが揃い、全11話のドラマを色濃く展開した。





1951年、ジャニス・イアンはニューヨークのブロンクスで生まれた。
貧しかった一家は、彼女が15歳になるまでに13回も引越しを繰り返す。
両親の不仲で寂しい日々を過ごしながらも、幼い頃からピアノを習い、12歳で初めてオリジナルソングを書いたという。
やがてピアノからギターに興味が移り、ニューヨークの音楽学校で本格的に曲作りを学ぶようになる。
15歳になった彼女は地元ニューヨークでライヴ活動を始め、16歳の時に「Society’s Child」(1967年)でデビュー。
当時タブーだった黒人少年と白人少女のロマンスを歌ったこの曲は、様々な論議を巻き起こしながらも全米14位のヒットを記録。
デビューアルバムも29位にランクされ、1967年度グラミー賞ベスト・フォーク・アルバムにノミネートされる。
同曲は当時一部のラジオ局では放送禁止となるが、レナード・バーンスタイン(小澤征爾や佐渡裕の師であり20世紀後半のクラシック界をけん引した音楽家/指揮者/作曲家/ピアニスト)がこの曲を絶賛したことによって彼女は“天才少女”として注目を集めることとなる。



その後5枚のアルバムをリリースするが一時音楽活動を休止する。
1973年にロバータ・フラックに提供した「Jesse」の大ヒットでシーンにカムバックし、翌1974年にはアルバム『Stars(ジャニスの私小説)』をリリース。
1975年に発表したシングル「At Seventeen (17才の頃)」、アルバム『Between the Lines(愛の回想録)』でグラミー賞2部門を受賞。
その翌年に「Love is Blind(恋は盲目)」が日本でヒットとなり、続いて同局のドラマ『岸辺のアルバム』の主題歌として起用された「Will You Dance?」で彼女の人気は不動のものとなる。
1980年には角川映画『復活の日』のために書き下ろされた「You Are Love」で大きな注目を集める。
当時はニューヨーク出身で洗練されたメロディーを書く彼女を“女ボブ・ディラン”呼ぶ人もいたという。
ドラマや映画の影響によって、多くの日本人が彼女の楽曲を耳にした時代があった。
日本人の琴線に触れるメロディーがあるとすれば、彼女が紡いだいくつかの歌は、その“線”にとても近いものだったのかもしれない…







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https://ameblo.jp/sasakimotoaki/entry-12660299410.html




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