1987年に『アペタイト・フォー・ディストラクション』でデビューを果たしたガンズ・アンド・ローゼズ。
出だしこそほとんど注目されなかったが、MTVで「ウェルカム・トゥー・ザ・ジャングル」を流したことから人気に火がつき、瞬く間に全米トップまで登りつめ、HM/HRシーンを牽引する存在となった。
1991年には、4年ぶりとなる2ndアルバム『ユーズ・ユア・イリュージョン I』『ユーズ・ユア・イリュージョン II』を同時にリリースし、世界中の1位と2位を独占する。
中でも、ピアノが美しい旋律を奏でるバラード「ノーベンバー・レイン」は、演奏時間が9分という大作ながらシングルカットされて人気を博し、バンドの代表曲の1つとなった。
また、PVには100万ドルという大金をかけられ、短編映画のような映像とストーリ性の高さで話題となり、その功績からMTVのVMA(ビデオ・ミュージック・アワーズ)で表彰されることとなる。
そのステージでは、ガンズ・アンド・ローゼズとエルトン・ジョンによる「ノーベンバー・レイン」が披露された。
ガンズ・アンド・ローゼズのアクセル・ローズが、初めてエルトン・ジョンと共演したのは半年前の3月。エイズによる気管支肺炎でこの世を去ったクイーンのボーカル、フレディ・マーキュリーの追悼コンサートでのことだった。
アクセルは昔からクイーン、そしてエルトン・ジョンとパートナーであるバーニー・トーピンの大ファンだったという。
「クイーン、そしてエルトンとバーニー・トーピン、彼らの歌詞は俺にとってずっと特別なものなんだ」
ステージではクイーンの大ヒット曲「ボヘミアン・ラプソディー」で、エルトン・ジョンとアクセル・ローズのデュエットが実現し、アクセルにとってはこの上なく特別な一日となった。
そして1992年9月にロサンゼルスで開催されたVMA。
ニルヴァーナが予定になかった「レイプ・ミー」を演奏しだしたことや、ステージ裏でのアクセル・ローズとカート・コバーンの衝突ばかりに注目が集まったが、「ノーベンバー・レイン」もこの年のハイライトの1つとして数えられている。
アクセル個人にとっては、エルトン・ジョンとの共演は2回目だったが、ガンズ・アンド・ローゼズとしては初めてであり、自分の曲で一緒に演奏できるというのはまた特別な喜びがあった。
その後も2人の親交は続き、2年後にはエルトン・ジョンがロックの殿堂入りを果たした際に、アクセル・ローズが誘導役を務めている。
アクセル・ローズのスピーチからは、エルトン・ジョンの影響のがどれほど大きいのかうかがい知れる。
「はじめて(エルトン・ジョンの)『ベニーとジェッツ』を聴いたとき、俺もパフォーマーにならなくちゃいけないって思い知ったんだ」
表面的には全然違うサウンドの両者だが、そこには言葉と敬意によるつながりがあった。
(このコラムは2014年11月25日に公開されたものに改訂を施しました)
ガンズ・アンド・ローゼズ『ユーズ・ユア・イリュージョン I』
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