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Rocky Mountain High〜ジョン・デンバーが自伝的な歌に込めた大自然への想い

2025.10.11

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2016年から国民の祝日として、8月11日が“山の日”になった。日本の議員連盟による制定により、「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する」ということで祝日になったという。


この歌は、ジョン・デンバー(当時28歳)が1972年に発表した作品だ。大ヒット曲「Take Me Home, Country Roads(故郷へかえりたい)」から約2年が経とうとしていた。

自らが手掛けた歌詞には、デンバーがそれまで経験した挫折や歌い続けることへの想い、そして大自然への感謝の気持ちが自伝的な物語として描かれていた。

作曲には、当時彼と親交の深かったギタリスト、マイク・テイラーが共作者として協力している。アレンジでは元ピーター・ポール&マリー(PPM)のベーシスト、ディック・ケネスも参加している。

この歌には、ちょっとした誕生秘話がある。それは大ヒット曲「Take Me Home, Country Roads(故郷へかえりたい)」を発表した翌年(1971年)の夏の出来事だった。

ある日、デンバーは妻のアニーと友人達と一緒に、美しい湖畔でのキャンプに出かけた。当時、彼の自宅があったコロラド州アスペンから26マイルほど離れたところに位置するそのウィリアム湖は、標高12,000フィートもある場所だった

どうしてその場所を選んだのか? 事前にある情報を得ていたのだ。

僕らはペルセウス座流星群を見に行ったんだ。まるで火の玉が空を横切ってるようで白い尾まで見えるようだったし、シューという流星の音まで聞こえるようでね! 圧倒的な美しさに心を奪われたんだ! そのときの体験がもとになって、魂の自由や大自然の中に存在する歓喜の気持ちを歌おうと思った。


そんな素晴らしい体験をヒントに、約9ヶ月かけて「Rocky Mountain High」を完成させた。ちょうどリリースを控えていた6thアルバムには、ビートルズのカヴァー曲「Mother Nature’s Son」が収録されており、当初はアルバムのタイトルにもある予定だった。

ところが、アルバムタイトルが急遽変更され、『Rocky Mountain High』としてリリースされることとなった。シングルカットの第一弾は「Goodbye Again」が切られ、チャートでは88位をマーク。続く第二弾目のシングル曲として「Rocky Mountain High」がリリースされ、最高順位9位を記録するまでのヒットとなり、数ヵ月に渡ってアメリカ各地のラジオ局からこの歌が流れ続けた。

当時、1974年の冬季オリンピックがコロラド州デンバーで開催される予定となっていたのだが、この歌がヒットしたことによって「オリンピックよりも自然破壊からコロラドを守ろう!」という運動がおこり、開催が取りやめとなった。まさに一曲の歌が、コロラド州の環境保護の後押しをした形となったのだ。

その後、長い歳月を隔て、2007年にはこの歌がコロラド州の第2州歌として正式に認定され、コロラドで暮らす人々の愛唱歌となって歌われ続けている。

1997年に飛行機の墜落事故により突然この世を去ってしまったジョン・デンバーは、その吉報を天国で聞いただろか? 生前、彼はあるインタビューでこんな事を語っている。

「Take Me Home, Country Roads(故郷へかえりたい)」は僕を人気歌手にしてくれた。そして「Rocky Mountain High」が僕をスーパースターにしてくれたんだ。




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