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Rocky Mountain High〜ジョン・デンバーが自伝的な歌に込めた大自然への想い

2017.08.11

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2016年から国民の祝日として8月11日が“山の日”になった。
日本の議員連盟による制定により「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する」ということで祝日になったという。
さて、今日はそんな“山の日”にちなんで山の歌をご紹介します♪


彼は27歳の夏の日に新たな人生を歩き始めた
彼は故郷へと帰った
しかしそこは彼にとって今でに行ったこともない場所
昨日という日を捨てて彼は生まれ変わったんだ
あらゆる人生に繋がるドアの鍵を彼は見つけたんだ


この歌はジョン・デンバー(当時28歳)が1972年に発表した作品だ。
あの大ヒット曲「Take Me Home, Country Roads(故郷へかえりたい)」から約2年が経とうとしていた。
自らが手掛けたその歌詞には、彼がそれまで経験した挫折や歌い続けることへの想い、そして大自然への感謝の気持ちが自伝的な物語として描かれていた。
作曲には、当時彼と親交の深かったギタリスト、マイク・テイラーが共作者として協力している。
アレンジでは元ピーター・ポール&マリー(PPM)のベーシスト、ディック・ケネスも参加している。
この歌には、ちょっとした誕生秘話があるという。
一体どんな経緯で生まれたのだろう?

それは彼があの大ヒット曲「Take Me Home, Country Roads(故郷へかえりたい)」を発表した翌年(1971年)の夏の出来事だった。
ある日、彼は妻のアニーと友人達と一緒に美しい湖畔でのキャンプに出かけた。
当時彼の自宅があったコロラド州アスペンから26マイルほど離れたところに位置するそのウィリアム湖は標高12,000フィートもある場所だった
どうしてその場所を選んだのか?
彼は事前にある情報を得ていたのだ。
その夜のことを彼は自伝にこう綴っている。

僕らはペルセウス座流星群を見に行ったんだ。まるで火の玉が空を横切ってるようで白い尾まで見えるようだったし、シューという流星の音まで聞こえるようでね!圧倒的な美しさに心を奪われたんだ!そのときの体験がもとになって魂の自由や大自然の中に存在する歓喜の気持ちを歌おうと思ったんだ。

そんな素晴らしい体験をヒントに、彼は約9ヶ月かけて「Rocky Mountain High」を完成させた。
ちょうどリリースを控えていた彼の6thアルバムにはビートルズのカヴァー曲「Mother Nature’s Son」が収録されており、当初はアルバムのタイトルにもある予定だった。
ところが、アルバムタイトルが急遽変更され『Rocky Mountain High』としてリリースされることとなった。
シングルカットの第一弾は「Goodbye Again」が切られ、チャートでは88位をマーク。続く第二弾目のシングル曲として「Rocky Mountain High」がリリースされ、最高順位9位を記録するまでのヒットとなり、数ヵ月に渡ってアメリカ各地のラジオ局からこの歌が流れ続けたという。


ああ、コロラド、ロッキー山脈よ
空から降り注ぐ炎の雨を見た
神に話しかけて気さくな返事に耳を傾けよう
そびえ立つロッキー山脈よ


当時1974年の冬季オリンピックがコロラド州デンバーで開催される予定となっていたのだが…この歌がヒットしたことによって「オリンピックよりも自然破壊からコロラドを守ろう!」という運動がおこり、開催が取りやめとなった。
まさに一曲の歌がコロラド州の環境保護の後押しをした形となったのだ。
その後、長い歳月を隔て…2007年にはこの歌がコロラド州の第2州歌として正式に認定され、コロラドで暮らす人々の愛唱歌となって歌われ続けているという。
1997年に飛行機の墜落事故により突然この世を去ってしまった彼は、その吉報を天国で聞いただろか?
生前、彼はあるインタビューでこんな事を語っている。

「Take Me Home, Country Roads(故郷へかえりたい)」は僕を人気歌手にしてくれた。
そして「Rocky Mountain High」が僕をスーパースターにしてくれたんだ。









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