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「TAP the COLOR」連載第50回
今回は、10月に亡くなったアメリカ南部出身の伝説のミュージシャンたちをラインナップ。ジャニス・ジョプリンは1970年10月4日、デュアン・オールマンは1971年10月29日、ロニー・ヴァン・ザントは1977年10月20日、ジョン・デンバーは1997年10月12日に死去。
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ジャニス・ジョプリン『Greatest Hits』(1973)
享年27。ジャニスの代表曲を集めたベスト盤。魂を振り絞るとは、まさに彼女のようなことをいうに違いない。その声、歌い方はそれほど物凄い。ブルース、ソウル、カントリー、バラードを血にしたロックそのもの。これ以上説明できない。聴くしかない。
デュアン・オールマン『An Anthology』(1972)
享年24。セッションギタリスト時代の録音やクラプトンとの競演、オールマン・ブラザーズ・バンドまでを辿る編集盤。オープンEチューニングのスライド奏法でアメリカを渡り歩いた男のアンソロジー。その魂は現在でもデレク・トラックスに引き継がれている。
レイナード・スキナード『One More from the Road』(1976)
キッド・ロックもサンプリングした「Sweet Home Alabama」などの名曲で知られるサザン・ロックの顔役的バンドのライブ盤。トリプルギターの音とロニーのヴォーカルに酔いしれつつバーボンを傾けて。ロニーとギタリストがツアー中の飛行機事故で亡くなった。享年29。
ジョン・デンバー『Greatest Hits』(1973)
享年53。社会問題や環境問題と積極的に取り組んだミュージシャンであり、ポップとカントリー両方で数多くのスタンダードを生んだソングライター。彼の歌を耳にしたことのない人はいないと思う。このベスト盤にはロッキー・マウンテンの風と匂いが詰まっている。
【お知らせ】
TAP the POPのメンバーである音楽評論家/翻訳家の五十嵐正さん監修のスライドギターの決定本が発売されました。ロバート・ジョンソン、マディ・ウォーターズ、エルモア・ジェイムズ、ライ・クーダー、デュアン・オールマン、ローウェル・ジョージ、ジョニー・ウィンター、ボニー・レイット、デレク・トラックスなど、スライド奏法の名手や伝説を多数収録。写真も豊富です。
『CROSSBEAT Presents スライド・ギター(シンコー・ミュージックMOOK)』
【執筆者の紹介】
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