1970年代前半にアメリカ南部から登場したバンド、レーナード・スキナード。
サザン・ロック特有の泥臭さとトリプルギターが生み出す多彩なサウンドで人気を博し、1973年にリリースされたデビュー・アルバム『レーナード・スキナード』は徐々に売り上げを伸ばして、翌年にはゴールド・ディスクを獲得している。
アルバムの最後に収録されている「フリー・バード」は、いつも彼らがコンサートの最後に演奏する曲だった。
元々は、同じく南部から生まれた偉大なるスライド・ギターの名手で、エリック・クラプトンの「愛しのレイラ」でのプレイでも知られる、オールマン・ブラザーズ・バンドのデュアン・オールマンに捧げられた曲だった。
だが、この名曲はファンに愛されるうちに一人歩きするようになる。
俺ももし明日旅立ったとしても
覚えていてくれるかい?
旅を続けなきゃいけないのさ
まだまだたくさんの街を見ないとな
もしこのままおまえと一緒にいても
同じままじゃいられないのさ
何故って俺は、鳥のように自由
おまえに鳥は変えられないんだ
俺が変われないことは、神様だってご承知さ
ある者はこの歌を卒業式に歌った。
仲間の葬式に流した者もいた。
だが1977年10月20日、ツアー中だったレイナード・スキナードを乗せた飛行機が墜落、ロニー・ヴァンザントをはじめ主要メンバーの命が奪われ、バンドは解散に追い込まれることになる。
そして当然のことながら、そのニュースを伝える映像のバックには、この曲が流れ続けていたのである。
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