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アレックス・ハーヴェイを偲んで〜70年代のイギリスで怪しくも骨太なサウンドを響かせたロックバンドを率いた男の軌跡

2022.02.04

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1982年2月4日、アレックス・ハーヴェイ(享年46)が死去したニュースが流れる。
死因は心臓発作と発表された。
1970年代に、ザ・センセーショナル・アレックス・ハーヴェイ・バンド(The Sensational Alex Harvey Band)のフロントマンとして人気を博し、音楽ファンの間では“知る人ぞ知る”実力派ロッカーだった彼。
その音楽歴はビートルズやストーンズのデビューした60年代初期にさかのぼる。
1950年代のイギリスにおけるスキッフルブームに触発されて音楽キャリアをスタートさせたという。
1959年に結成したAlex Harvey & His Soul Bandで活動するも、長い間売れない時代を経験。
1969年にロンドンで注目を集めたミュージカル『Hair(ヘアー)』に出演して、ようやく陽の目を見ることとなる。
1970年代初頭、同郷グラスゴー出身のバンドTear Gus(ティア・ガス)と知り合い、意気投合した後にThe Sensational Alex Harvey Bandを結成。
演劇的要素を取り込んだステージングで注目を集め、ようやく“ポストグラム”として頭角をあらわした頃には、すでに37歳だったという。

アレックス・ハーヴェイ- ヴォーカル・ギター
ザル・グレミンソン- リードギター
クリス・グレン- ベース
テッド・マッケンナ- ドラムス
ヒュー・マッケンナ- キーボード


同じスコットランドの血を持つ布陣で1972年、ヴァーティゴレコードよりデビューアルバム『Framed』をリリース。
基本となる音楽性はハードロックであったが、アレックスの多彩な音楽遍歴を反映するかのように、ブルース、ブギ、ミュージカル的な曲など様々な要素を内包するバンドとして注目を集める。
彼らは高い演奏技術を基本にしながら、滑稽なパフォーマンスやシアトリカルな演出をふんだんに織り込み、一躍人気バンドへと上り詰めてゆく。


バンドが上り調子だった1975年頃、彼らにまつわるこんなエピソードが残っている。
後にセックス・ピストルズのベーシストとなるグレン・マトロックが、マルコム・マクラーレンとヴィヴィアン・ウエストウッドの経営していたブティック『SEX』で店員をしていた時の話である。

「その頃、センセーショナル・アレックス・ハーヴェイ・バンドはよく店に買い物をしに来ていたよ。当時、他の店には売ってなかったゴールドのソックスなんかを買ってくれてたよ。ある日、彼らが来ている時にマルコムが店にいたんだ。」

「あの連中は何をしてる!今すぐ追い出せ!」奴らは怪しい!内国歳入庁の人間だ!」

「マルコム、いったいどうしちまったんだ?彼らはそうじゃないってば!」

「どうしてわかる?」

「彼らはセンセーショナル・アレックス・ハーヴェイ・バンドさ。毎週マーキーで演奏しているよ!行って観て来たらいいいよ。」


2ヶ月後、マルコムとバーニーローズ(後のクラッシュマネージャー)とグレンマトロックの3人はハマー・スミス・オデオンへ行ってThe Sensational Alex Harvey Bandの演奏を実際に観ることとなる。
バンドの正体がわかると、マルコムは顧客が有名人だと知り上機嫌だったという。


1978年に、キーボード担当のヒュー・マッケンナヒューが脱退。
程なくしてトミー・アイアー(key)が加入するが、この頃からアレックスの体調不良が影響し…バンドは空中分解してしまう。
バンド解散後は、アレックス・ハーヴェイ・ザ・ニュー・バンド(Alex Harvey-The New Band)、エレクトリック・カウボーイズ(the Electric Cowboys)などを率いて3〜4年ほど活動を続けていた。
そして1982年2月4日、彼は46歳の若さでこの世を去っていった…


<引用元・参考文献『オレはセックス・ピストルズだった』グレン・マトロック(著)
岡山徹(翻訳)/音楽之友社>





こちらのコラムの「書き手」である佐々木モトアキの音楽活動情報です♪
宜しくお願い致します。






『山部“YAMAZEN”善次郎×佐々木モトアキ ダブルネーム弾き語りTOUR “ちょっと長い関係の歌旅2022”】


1月15日(土)八幡DELSOL café
1月22日(土)福岡ROCK食堂(昼公演)
1月22日(土)福岡ROCK食堂2階Honey Bee(夜公演)
1月23日(日)行橋Rock ‘n Roll Bar Memphis 
1月29日(土)大阪 新世界ヤンチャーズ
1月30日(日)和歌山OLD TIME
2月5日(土)久留米 農と音2号店 
2月6日(日)佐賀 雷神 
2月18日(金)横浜THUMBS UP
2月19日(土)静岡・御前崎Cook House椿
2月20日(日)名古屋ROLLINGMAN
2月22日(火)金沢JealousGuy
2月23日(水・祝)新潟Mush
3月4日(金)沖縄・コザ CROSSOVER CAFE’ 614
3月5日(土)沖縄・那覇Drunk CINDERELLA
3月6日(日)沖縄・宮古島 雅歌小屋
3月19日(土)下北沢ニュー風知空知
3月20日(日)茨城・水戸Jazz Bar Bluemoods
3月21日(月・祝)埼玉・所沢MOJO
3月25日(金)広島LIVE café Jive
3月26日(土)岡山Desperado
3月27日(日)徳島Music Bar Ricky
4月15日(金)小郡ジラソーレ
4月16日(土)熊本八代7th chord 
4月17日(日)大牟田 陽炎
4月21日(木)仙台HIGHBURY
4月22日(金)福島Harvest
4月23日(土)岩手・二戸 HOUSE OF PICNIC 
4月24日(日)秋田・湯沢BASEMENT
4月28日(金)東広島pasta amare 
4月30日(土)福岡Bassic.(ライブ&スペシャルスライドショー)

↓チケットご予約&公演詳細・共演者情報はこちら
https://ameblo.jp/sasakimotoaki/entry-12713121312.html






【歌ものがたり2022春〜雨ニモマケズ風ニモマケズ】


1月16日(日)長崎・タンゲ食堂
2月12日(土)東京・高円寺MOONSTOMP   
2月13日(日)埼玉・川越 大黒屋食堂  
2月26日(土)福岡・薬院 遊来友楽 
2月27日(日)北九州・黒崎 居酒屋 中村屋
3月8日(火)福岡・大牟田Casual Bar Version
3月12日(土)群馬・前橋 呑竜横丁 
4月2日(土)兵庫・宝塚・IL grazie
4月3日(日)京都・四条大宮高辻 夜想 
4月9日(土)茨城・古河LIVESTATION ”L” 

↓チケットご予約&公演詳細・共演者情報はこちら
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佐々木モトアキの楽曲「You」のミュージックビデオです♪
映像編集、ポートレート(写真)撮影共に、佐々木モトアキ本人が手掛けております。
とてもシンプルな技法ですが、何よりも登場する皆さんの表情が素敵です✨
人が“目を閉じている”表情。
その“瞼(まぶた)に浮かんでいる”誰かの顔。
繋がってゆく“一人ひとりの想い”が、100通りの、いや1000通りのドラマを描いてくれています。





佐々木モトアキ
執筆、動画編集、音楽・食・商品・街(地域)に関わるPRなどなど…様々なお仕事承ります。

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お気軽にご依頼のご相談・ご連絡ください♪
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【佐々木モトアキ プロフィール】
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【TAP the POP佐々木モトアキ執筆記事】
http://www.tapthepop.net/author/sasaki

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