「ひどい孤独に襲われて一睡もできずに、飲むのはブラックコーヒー。恋とは使い古しのホウキのようなもの」と歌われる「Black Coffee」は、1948年にコロンビアレコードに移籍したサラ・ヴォーンのために書かれた楽曲だ。クレジットにはポール・フランシス・ウェブスターとソニー・バークの共作と記されている。
これまでも多くのジャズシンガーたちがレパートリーとしてきた名曲である。日本では1952年(昭和27年)にペギー・リーが歌ったバージョンがヒットした。
3分ちょっとという短い曲の中に、なんとも言えない“女心”をあらわした上質な比喩が凝縮されているのだ。この歌の主人公は“訳あり”の男と女の関係にあって、自由に思いのまま“あの人”を愛せない立場なのだ。解釈の仕方によっては、すでに失恋している状況とも取れる。とにかく愛しい“あの人”が、近頃はまるで自分のところに来てくれないと嘆く。
恋を“使い古しのホウキ”と表現し、この部屋には“日曜日は来ない”と言う。主人公の女性にとって、日曜日とは“家庭で楽しく過ごす時間”の代名詞なのだろう。主人公の情念をブラックコーヒーを使って表現したところが、当時は斬新だったという。
することといったら
ブラックコーヒーを飲むことだけ
あの人が去ってしまってからは
<引用元・参考文献『いつか聴いた歌』/和田誠(愛育社)>
ブラック・コーヒー
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