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ビートルズの原点となる「ラヴ・ミー・ドゥ(Love Me Do)」から始まった輝かしい歴史

2016.09.23

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ビートルズのメンバーたちはみんな第二次世界大戦の戦火の下で生まれ育っている。
ジョン・レノンとリンゴ・スターキーが1940年、ポール・マッカートニーが1942年、ジョージ・ハリスンが1943年と、いずれも戦時中にこの世に生をうけたのだ。

彼らは戦争を知っている子どもたちだった。
そして愛を欲している子どもたちでもあった。

ビートルズの歴史がスタートする記念すべきデビューシングルの「Love Me Do」は、愛を求めるシンプルでまっすぐな歌だ。
この曲のソング・ライティングはポールが行い、ジョンが手伝って完成したと言われている。

レノン&マッカートニーの最も初期の作品になるが、その後のビートルズの普遍のテーマとなる「Love」が主題だった。
その意味でも「ラヴ・ミー・ドゥ(Love Me Do)」はビートルズの音楽の原点である。

Love, love me do
You know I love you
I’ll always be true
So please love me do
Wo ho, love me do

愛しておくれ
そうさ 愛している
いつだって 嘘じゃない
だから 愛しておくれ
愛してほしい

Someone to love
Somebody new
Someone to love
Someone like you

誰か 愛したい
新しい誰か
誰か 愛したい
君みたいな人




ポール・マッカートニーは1956年、14歳のときに乳ガンに罹った母を亡くしている。
母の死による悲しみをまぎらわすためギターに熱中したポールは、ラジオから流れてくるアメリカのロックンロールを聴いて、それをカヴァーするのに夢中になり、1957年にジョンと出会ってバンド活動を始めた。

ジョンの産みの母だったジュリアが交通事故で亡くなったのは1958年のことで、「ラヴ・ミー・ドゥ」はその頃に作られたと言われている。

ともに多感な思春期に母を失くしたジョンとポールは一緒にギターを奏でながら「ラヴ・ミー・ドゥ」を歌うことで、無意識のうちに生きている証を確かめていたのかもしれない。
彼らの歌声と演奏は自然と弾けるものになり、強い生命力を放つようになっていった。

ビートルズは1962年の6月6日にはロンドンのEMIスタジオで、デモテープ録りのレコーディングが行われた後に、新しいドラマーにリンゴ・スターを迎え入れている。

そして9月4日にレコーディングを行い、EMIのパーロフォン・レ―ベルのプロデューサー、ジョージ・マーティンが準備した楽曲の「ハウ・ドゥ・ユー・ドゥ・イット」と、自分たちのオリジナル曲「ラヴ・ミー・ドゥ」を仕上げた。

だがビートルズはマーティンが勧める「ハウ・ドゥ・ユー・ドゥ・イット」を仕上げたものの、それでデビューすることを拒否した。
どうしても自分たちのオリジナル曲で行きたいと主張したために、9月11日に再びレコーディングが行われた。
そのこだわりこそがビートルズの将来を決めたのかもしれない。

そこでは「ラヴ・ミー・ドゥ」と「P.S.アイ・ラヴ・ユー」が完成、10月5日にデビュー・シングルとして発売になった。
ただし、マーティンがリンゴのドラムを良しとはせず、キャリアのあるアンディ・ホワイトがドラムを担当、リンゴはタンバリンを叩いた。

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「ラヴ・ミー・ドゥ」は何だったと思いますかと訊かれたジョンは、こう答えている。

「ロックンロールですよ、かなりファンキーな」


10月5日に発売された「ラヴ・ミー・ドゥ」は、いきなり人気をさらったわけではない。
イギリスのヒットチャートでは最高で17位までしか上昇しなかった。
それについてジョンは「なにごともおこりませんでした」と答えている。

しかしセカンド・シングルの「プリーズ・プリーズ・ミー(Please Please Me)」が1963年の1月からヒットしたことで、ビートルズを取りまく世界が一変していく。
ライブに観客が押し寄せるようになると人気が加熱し過ぎて、歌と演奏が歓声でかき消されるのが当たり前になっていった。

そして「抱きしめたい(I Want to Hold Your Hand)」の大ヒットで1964年にはアメリカを席巻、ビートルズの人気が爆発したことで、「ラヴ・ミー・ドゥ」は5月30日に全米チャートで第1位を獲得する。

こうして1963年になってスタートしたビートルズのコンサート・ツアーとレコーディングの日々は、観客を前にした最後の演奏となる1966年8月のサンフランシスコにおけるキャンドルスティック・パーク公演まで、3年半にわたって続けられた。



当時のライヴ映像を中心にした映画『ザ・ビートルズ〜EIGHT DAYS A WEEK – The Touring Years』が、9月22日から日本でも公開になった。
下積み時代を経てレコードデビューするやいなや、アメリカのロックンロールやR&Bに自分たちのルーツであるアイリッシュ・テイストや、バロック音楽やクラシックの旋律をミックスして新たな魅力を放つ作品を生み出し、瞬く間にスターダムへと駆け上がっていったビートルズのコンサート記録である。

ビートルズのメンバーではポール・マッカートニーとリンゴ・スター、関係者ではヨーコ・オノ・レノン、オリビア・ハリスンらの全面協力のもとに、インタビューをおりまぜてまとめられた映画はデジタル修復されてカラーとなった映像が楽しめる。
監督は『ダ・ヴィンチ・コード』『天使と悪魔』などを手がけ、『ビューティフル・マインド』でアカデミー賞を受賞した、ロン・ハワード。


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