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TAP the SONG

バーズのロジャー・マッギンが、ビートルズとボブ・ディランを融合させた1曲

2014.02.28

動くビートルズがアメリカで初めて人の目に触れたのは、今から50年前の1964年1月3日に放送されたテレビ番組『ジャック・パー・プログラム』で、イギリスの注目すべき現象として取り上げられた30秒間の「シー・ラヴズ・ユー(She Loves You)」だった。

その映像を目にしたロジャー・マッギンは、ビートといい、ハーモニーといい、すべてが新しい音のバンドに心をわしづかみにされたという。

マッギンはニューヨークのグリニッジ・ヴィレッジ8番街にあったレコード店に駆けつけて、出たばかりのアルバム『Meet The Beatles!』を買うと、そのままアパートに戻ってレコードを繰り返し繰り返し聴いた。

ビートルズの音楽のなかには、いろいろな要素がぎっしり詰まっていた。”フォーク・ミュージック”の影響も感じられた。それはコード・チェンジに表れていた。とにかく”クール”だった。

まもなく公開されたビートルズの映画『A Hard Day’s Night』(邦題:ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!)を観て、ジョージ・ハリスンが弾くリッケンバッカーの12弦エレクトリックギターに魅せられたマッギンは、同じものを手に入れて完全にマスターする。

熱に浮かされたようにビートルズの物真似をしていたマッギンを、後にヤング・ブラッズのメンバーとなるミュージシャン仲間のジェシ・コリン・ヤングが覚えていた。

「マッギンは言い続けてたよ。『次にくるのは、これだよ』って。彼の言うとおりだった。」

レコードを聴いて詞と曲、サウンドやハーモニーに夢中になりながらも、マッギンは何かを探っていた。そしてビートルズがやっていることを、グリニッジ・ヴィレッジのフォークソングに当てはめようと思いついた。その瞬間にバーズと、フォーク・ロックの誕生が用意されたのだ。

バンドのメンバーを集めたマッギンが次に探したのは楽曲だった。
ボブ・ディランが発表する「Mr. Tambourine Man」のデモ・テープを耳にした時、マッギンの頭の中ではエレクトリック・ヴァージョンがひらめく。

バーズのデビュー・シングル「Mr. Tambourine Man」は、1965年4月に発売されると全米と全英で、ともにナンバーワンの大ヒットを記録した。

当時はエレクトリック楽器を演奏するロックと、ギターやバンジョーなどの生楽器でメッセージ・ソングを歌うフォークとの間には、はっきりと境界線があった。また、アメリカとイギリスの音楽シーンにも大きな壁があった。

だがバーズが、いやビートルズとボブ・ディランを融合させた1曲が境界線も壁も越えてしまったのである。
ここからフォーク・ロック・ブームが始まり、サイモン&ガーファンクルの「The Sound of Silence」のロック版などが生まれてくることになる。

The Byrds『Mr. Tambourine Man』
SMJ

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