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楽屋での初対面から「父と娘」になった、ロックスターとハリウッド女優

2026.03.27

3月26日はアメリカが生んだ“ロックンロールバンドの最高峰”エアロスミスのボーカリスト、スティーヴン・タイラーの誕生日。

彼はハリウッド女優として活躍している娘リヴ・タイラーの父親でもある。スティーヴンとギターのジョー・ペリーらを中心に、1970年にボストンで結成されたエアロスミスは、1973年にアルバム『Aerosmith(野獣生誕)』でデビューし、それから3年足らずでトップバンドへとのし上がる。

その不良っぽいルックスとブルースを基調としたラフでルーズな音楽スタイルは、ローリング・ストーンズと肩を並べるほどの人気を誇り、当時の若者達を熱狂させた。特にスティーヴンの“大きなくちびる”から発せられるシャウトは、実に猥雑で妖しげな空気を醸し出し、今なお世界中のロックファンを魅了し続けている。

1980年代前半のエアロスミスは、ジョー・ペリーの一時離脱、そしてスティーヴンのドラッグ中毒問題もあってどん底状態だった。1986年、名プロデューサーのリック・ルービンの“仕掛け”により、ヒップホップグループのRun-D.M.C.が、彼らの「Walk This Way」をカヴァーして全米チャート4位となった。

それを機に不死鳥の如く音楽シーンにカムバックしたエアロスミスは、その後も順調にアルバムリリース&ワールドツアーを重ねてグラミー賞の常連バンドとなる。

1998年には、娘のリヴ・タイラーが出演した映画『アルマゲドン』の主題歌「I Don’t Want to Miss a Thing」が、バンド史上初となる全米シングルチャート1位を獲得し、その人気を不動のものとした。

「Walk This Way」/ Run-D.M.C.


バンドの人気と共に、プライベートでも数多の浮名を流したスティーヴンにはこんなエピソードがある。

リヴの母親ビビ・ビュエルは有名なグルーピーで、当時複数のミュージシャンと関係があったため、彼女は自分がスティーヴンの娘だと知らされずに育てられたという。

1986年、そんな彼女に“運命を変える日”が訪れる。それはRun-D.M.C.とのコラボ「Walk This Way」がヒットしたタイミングに合わせて行われた、エアロスミスのコンサート会場での出来事だった。

当時9歳だったリヴは、母親ビビと共にあるコネで彼らの楽屋に入れてもらった。そこにいたスティーヴンの娘ミア・タイラー(スティーヴンと結婚したシリンダ・フォクシーとの娘)を見て衝撃を受けたという。

「自分とそっくり!」


その“大きなくちびる”、瞳の色、自分とミアとスティーヴンとの間にあるいくつかの共通点…。外見の照合よりも先に、彼女は“血縁”という絆を直感的に察知したのかもしれない。

帰宅後、彼女が母親を問いつめた結果、自分とスティーヴンが親子であることが明らかとなった。程なくして、スティーヴンはリヴに「タイラー」の姓を名乗るように薦め、彼女が14歳のとき「リヴ・タイラー」と改名した。

この頃から二人の親子関係が公にも知られるようになった。その後、スティーヴンはエアロスミスのプロモーションビデオにリヴを出演させたりして、女優を目指す彼女をバックアップするようになる。

映画『アルマゲドン』の感動的なラストシーンに流れる「I Don’t Want to Miss a Thing」には、物語とのリンクとは別に、スティーヴンの娘への愛が歌われているのかもしれない。

「I dont want to miss a thing」/エアロスミス


【スティーヴン・タイラーの家族構成】
■元彼女:ベベ・ビュエル(元モデル)
1970年代中頃に交際していたが、交際当時は別の男性と同棲中だった。スティーヴンの娘で女優のリヴ・タイラーを授かる。
■娘:リヴ・タイラー(女優)
1977年7月1日生まれ。母親はモデルのベベ・ビュエル。当時スティーヴンがドラッグ中毒だったため、リヴへの影響を考えて、母親のビュエルは当時同棲中であったトッド・ラングレンが父親ということにして、出生証明書の父親もトッド・ラングレンとなっている。
■娘:ミア・タイラー
1978年12月22日生まれ。母親はシリンダ・フォクシー。
■息子:タジ・モンロー・タラリコ
母親はテレサ・バリック。
■娘:チェルシー・アンナ・タラリコ
母親はテレサ・バリック。

エアロスミス『Tough Love』

エアロスミス『Tough Love』

(2011/USMジャパン)



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執筆者
【佐々木モトアキ プロフィール】
https://ameblo.jp/sasakimotoaki/entry-12648985123.html

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