7月21日は、“ニューヨークのため息”と呼ばれるジャズ歌手ヘレン・メリル誕生日です。
1930年にNYで生まれたヘレンは、クロアチア(旧ユーゴスラビア)移民の子としてブロンクスで育ち、14歳の時からプロ歌手となり、ブロンクスのThe845Clubで歌い始める。若くしてマイルス・デイビスやディジー・ガレスビー、バド・パウエルといったジャズの巨人達との共演を経験し、その歌声に磨きをかけていく。
デビュー当初はヘレン・ミルケティックというファミリー・ネームで歌っていたが、のちにヘレン・メリルと改名。1948年、18歳の若さでクラリネット奏者のアーロン・サクスと結婚するが、1956年に離婚。
数多い女性ジャズ歌手の中で、とりわけ我が国のファンに愛されているシンガー。ハスキーでけだるい歌声は、たとえばエラ・フィッツジェラルドやサラ・ヴォーンのようにスケールの大きなものではないものの、いわゆる“ジャズのムード”にピッタリはまっている歌声として愛聴されてきた。日本の歌手、青江三奈が大きな影響を受けているのは有名な話である。
また、初のソロ名義アルバムとなった『Helen Merrill with Clifford Brown』(1955年)の中に収録された、コール・ポーター作曲によるジャズのスタンダード「You’d be so nice to come home to」が、1980年代ののテレビCFイメージソング(セイコー時計/ドルチェ&エクセリーヌ)として流され、広く一般に知られるきっかけとなった。
「You’d be so nice to come home to」/ヘレン・メリル

正確には家に帰ってくるのは“わたし”であって、素直に訳せば“わたしが家に帰った時、あなたがいてくれてうれしい”というのが近いところだろう。イラストレーターでジャズに造詣の深い和田誠は、これを“帰った時のあなたは素敵”と訳したらしい。一般的にジャズマンたちは、原題を略して“ユード・ビー”と呼ぶことが多い。
「You’d be so nice to come home to」/青江三奈

「五木の子守歌」/ヘレン・メリル



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執筆者
【佐々木モトアキ プロフィール】
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