TAP the COLOR

左胸を泣かせるソウル・バラードの世界〜忌野清志郎/オーティス/サム/ジャッキー

2015.05.13

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「TAP the COLOR」連載第81回

日本語による屈指のソウル・バラード「スローバラード」を歌った忌野清志郎。そんな清志郎が憧れたサザン・ソウルの伝説オーティス・レディング。オーティスに多大な影響を与えたソウル・シンガーのパイオニアであるサム・クック。サムと並ぶ偉大なジャッキー・ブラウン。彼らのソウル・バラードはなぜいつもこんなにも左胸を溶かしてくれるのだろう?

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news_xlarge_RC_singleman RCサクセション『シングル・マン』(1976)
「当時の自分の状態がストレートに出てたアルバム」と忌野清志郎が言ったように、売れないことに加えて契約にも縛られていた頃に録音されたRCの3枚目。リリースは1年延期され、またも売れずに廃盤。しかし1980年、ロックバンドとして新生したRCがブレイクすると、本作の素晴らしさは知れ渡るようになり、再発運動を経て無事にカタログ化された。ジャケットは児童心理学の絵が使われている。「ヒッピーに捧ぐ」「甲州街道はもう秋なのさ」など名曲揃いだが、やはりラストを飾る屈指のソウル・バラード「スローバラード」が心に染みる。僕ら夢を見たのさ。とってもよく似た夢を。


1415447538_folder オーティス・レディング『The Otis Redding Story』(1987)
そんな忌野清志郎が愛し続け、大きな影響を受けたソウルシンガーのアンソロジー盤。アメリカ南部で生まれてゴスペルやブルースに繋がる音楽、いわゆる「サザン・ソウル/ディープ・ソウル」と呼ばれる世界の旅先案内人的存在がオーティス・レディングだ。雇われていた歌手のレコーディングの余り時間で録音の機会が与えられたのがキャリアの出発点。スティーヴ・クロッパーやダック・ダンといったバックの渋い仕事も聴き逃せない。不滅のソウル・バラード「I’ve Been Loving You Too Long」「These Arms of Mine」などを収録。1967年、26歳の若さで事故死。

Sam-Cooke-Portrait-of-a-Legend-1951-1964-L018771926429 サム・クック『Portrait of a Legend 1951-1964』(2003)
オーティスも影響を受けた偉大なソウルシンガー、サム・クックのアンソロジー盤。そのキャリアはゴスペルグループのソウル・スターラーズの一員から始まり、1957年にソロデビュー。R&B〜ソウルへの流れにおいて最も重要な存在、同時期のシンガーたちの精神的支柱として知られる。至上のソウル・バラード「Bring It On Home to Me」「Nothing Can Change This Love」「A Change Is Gonna Come」などを収録。システムに搾取されることを嫌い、自らの著作権管理会社も立ち上げた。黒人たちの権利、公民権運動にも強い信念を持ったが、1966年に射殺された。享年33。

MI0003538631 ジャッキー・ウィルソン『Mr. Excitement』(2011)
サム・クックやジェームス・ブラウンと並ぶソウル・シンガーのパイオニアであり、独特の歌唱法から「ミスター・エクサイトメント」とも呼ばれたジャッキー・ウィルソンのベスト盤。ゴスペルをルーツに持ち、R&Bグループの一員からキャリアをスタートして1957年にソロデビュー。後にモータウンを設立するベリー・ゴーディ・ジュニアとの関係も深く、都会的な明るい曲調でヒットを連発するが、1960年代に入るとソウル・バラードの名作を吹き込むようになった。先の二人と比べると日本では知名度は低いが、アメリカでは伝説的存在である。「Lonely Teardrops」「Doggin’ Around」などを収録。


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