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アメリカン・バンド〜イーグルス/シカゴほか

2016.01.27

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「TAP the COLOR」連載第118回

アメリカ音楽の魅力の一つに「広大な風景」というものがある。荒れ果てた土地に吹き流れる風。スモールタウンに舞い上がる土埃。ハイウェイから見えるネオン看板。ビーチから見えるパームツリー……LA、シカゴ、デトロイト、シスコなど場所は違っても、「広大な風景」の中で育まれる音にアメリカを感じずにはいられない。

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117182610 イーグルス『Their Greatest Hits (1971–1975)』(1976)
先日グレン・フライが亡くなり、またもや売れ始めたというイーグルス最初のベスト盤。ドン・ヘンリーとのソングライティングでアメリカの名曲を数々と生み出してきた第1章的楽曲が並ぶ。4枚のオリジナルアルバムからのセレクト。アメリカでは最初にプラチナディスクに認定された作品であり、現在まで2900万枚という驚異的なセールスを誇る。マイケルの『スリラー』と競いながら記録を塗り替え続けている。


200697440 シカゴ『Chicago』(1970)
今年ロックの殿堂入りが決まったシカゴ。1969年に「シカゴ交通局」というバンド名でデビュー。本作は「シカゴ」に名を変えて放ったセカンド作で、彼らの代表作の一枚でもある。デビューから3作続けて2枚組という大胆なアプローチで話題にもなったが、それは自由な気質で枠に収まらずに何でも吸収するという姿勢の現れだった。ブラス・ロックの大名曲「長い夜」を収録。


bobsegerthesilverbulletband.bobsegerand-againstthewind(1) ボブ・シーガー&ザ・シルバー・ブレット・バンド『Against the Wind』(1980)
デトロイト出身のロックンローラー、ボブ・シーガーと彼のバンドによる全米ナンバーワン作。1969年にデビューするも、70年代半ばまでヒットに恵まれず、地味にライヴ活動を続けてきた結果、1976年にようやく人気バンドとなる。日本ではこの種のバンドはニーズがなく(風景と合わないからだ)、ほとんど無名に近いが、本国ではスーパースター的存在。高速道路を走る時、車で聴きたい音楽だ。

81SqqDjb-KL._SL1300_ ヒューイ・ルイス&ザ・ニュース『Fore!』(1986)
MTVの力や映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の大ヒットもあって、日本でも知名度を上げた彼らの全盛期作。トップ10ヒットを連発した1983年の『Sports』の続編的な、こちらもヒット曲満載のアルバム。なお、作家のブレット・イーストン・エリスは『アメリカン・サイコ』の中でヒューイ・ルイスに関する章を立てて、その魅力について熱く論じている。


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