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9年目を迎えたCDショップ大賞~宇多田ヒカルとAimerに共通する16ビートのグルーヴ

2017.03.17

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過去1年間に日本国内で発売されたオリジナル・アルバムの中から大賞、ならびに各賞を選んで顕彰する「CDショップ大賞」は2009年より開催されてきた。
9年目を迎えた「第9回CDショップ大賞2017」で1019人のCDショップ店員による投票で、大賞に選ばれたのは宇多田ヒカルの『fantôme』だった。
そしてAimerの『daydream』が準大賞となった。

第5回に続いて4年ぶり2度目のノミネートで準大賞を受賞したAimerは、授賞式の会場で素直な口調で感想をこう語っていた。

リリースのたびに自分でもCDショップに足を運んで、CDの展開や書いていただいたポップを見るのを楽しみにしているのですが、ポップに書いてある文字や文章、イラストなどから作品への愛を感じるポップに出会えたときは、ほんとうに嬉しくなります。
CDショップ店員のみなさんが心からお客さんにおすすめしたい、そう思えるようなアーティストでありたいし、この賞に恥じないようないい音楽を作っていきたいと思います。


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大賞を受賞した宇多田ヒカルからは、海外にいるためヴィデオによるコメントが届いた。
その動画コメントにも「CDショップのポップやポスターみたいな貼り紙が、各地のファンから送られてきて、それがうれしかったです」と語る言葉があった。

二人はそれぞれにCDショップならではの店員さんのコメント、あるいは手作りのポップなどによる商品展開について言及していた。

授賞式の最後にはAimerが受賞作『daydream』の中から「蝶々結び」をピアノ一本の伴奏でうたった。
その歌声にもどこか、宇多田ヒカルと共通しているところが感じられた。

無垢で無防備とも言えるようなところもどこか似ていて、そのせいか歌詞の一言ひとことがよく伝わってきた。
それはCDの音源よりもソフトでふくよかだった声を活かして、必要以上に力を入れない歌い方をしているからだろう。
さらには発声からブレスまで、ヴォーカルには16ビートのグルーヴがあった。
そんなところも宇多田ヒカルと通じるものだった。

そういえば「蝶々結び」という楽曲をAimerに提供した野田洋次郎もまた、自ら率いるバンドのRADWIMPSで16ビートのグルーヴ感を打ち出した音楽を追求している。

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Aimerを選んだCDショップで働く人たちのコメントにも、彼女のヴォーカルについての印象が多く語られていた。

店舗で働いていて「この曲歌っているの誰ですか?」の問い合わせをこんなに受けたのは久々でした。様々なジャンルの参加アーティストの力と、本来Aimerが持っている才能、魅力が相乗効果を成し、新しい彼女を作った傑作。聴かないなんて勿体ない。
(TOWER RECORDS 盛岡店 佐藤 宏昭)

最初にAimer の音楽を聴いた時、イノセントな歌声と、それを際立たせる微かに残るあどけなさに似た何かの言い表しようがない魅力に、これからの時代を担っていく新たな才能が出現したことを確信しました。
(フタバ図書商品部 高野 修一)

本当に声が美しい。儚げでいて力強い…本当に美しいです。
アニメのタイアップが多いイメージでしたが、普段アニメを見ない方にもぜひ聴いていただきたい作品!
(TOWER RECORDS 津田沼店 平原 亜樹)

いまや世界中から姿を消しつつあるCDショップだが、日本はまだ音楽の現場として機能している。
そこで働いている人たちの感性も、表現者たるアーティストとリスナーをつなぐ役割を担っているのだ。

宇多田ヒカルを選んだ人たちのコメントにもそうした自負、あるいは選んだ作品へのリスペクトが感じられた。

「音楽は自由だ」という当たり前の事実を、まるで初めて気がついたと思わせる一枚。
こだわりぬいたサウンドから生まれる風通しの良さ、歌詞の鋭さ、優しさと虚しさを絶妙に表現した歌声。
出会えてよかった。
(TOWER RECORDS渋谷店 石山 祐輔)

上質なものは、「カタチ」として手にとって、常に傍において置きたくなるものです。
(新星堂和光店 田中 麻衣)

店頭演奏で幾度となく、100回以上は繰り返し流しましたが、それでもまだ飽きませんでした。
聴き心地の良さと、アルバムを通して変わり続ける雰囲気の波は素晴らしいと思います。
(ディスクユニオン吉祥寺店 小宮山 晴希)

圧倒的表現力。ブランクを感じさせない前衛性。まさに天才。
(新星堂名古屋店 古田 朋之)








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