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ロックンロールの種を撒いた男〜伝説のカントリー歌手ハンク・ウィリアムスの偉大な功績〜

2015.07.19

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カントリーミュージックは厳しい時代でもポジティブ(サークル:日本初の音楽理論Webマガジンより)
辛い時には悲しい音楽を聞きますか?それとも楽しい音楽を聞きますか? 人は辛いことや悲しいことを表現している音楽を好むのでしょうか?それとも一時的にでもそのようなことを忘れさせてくれる音楽を好むのでしょうか?新たな研究ではこれはジャンルによって大きく変わってくると結論付けられています。

スティーヴン・タイラー、カントリー音楽の大手レーベルと契約(BARKSより)
エアロスミスのスティーヴン・タイラーが、カントリー・ミュージックの大手レーベルBig Machineと契約を交わした。スティーヴン初のソロ・アルバムはカントリーになると噂されていたが、その傾向が強いのは間違いないようだ。

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1940年代〜50年代の初期──“カントリーの開拓者”と呼ばれた男ハンク・ウィリアムスは、それまでの伝統的なカントリー音楽にPOPSの感覚とBLUESのテイストを加味し、より親しみやすく調理してみせた。
1923年9月17日アラバマ州で生まれた彼は、10代の頃より地元モンゴメリーのラジオ番組に歌と司会で出演していたという。
第二次世界大戦以降は苦難に直面するも、1948年に「Move It On Over」が大ヒット。以降1953年までの6年間で、ビルボードのカントリー&ウェスタン・チャート1位に11曲を送り込み、メインストリームにのし上がった“伝説のミュージシャン”である。

「Move It On Over」/ハンク・ウィリアムス



だが、そんな順風満帆な日々は続かなかった…。
健康不安の解消や鎮痛のために摂取したアルコールやモルヒネに依存するようになり、ラジオ番組からも解雇され…1953年1月1日、コンサートに向かうキャデラックの後部座席で心臓発作をおこし29歳の若さで他界する。
カントリー音楽に新風を吹き込み“ロックンロールの種”を撒いた彼自身が、その後の音楽史においてROCKが開花してゆく姿を見ることは叶わなかった。
しかし彼の死から半世紀以上の時が流れても、多くのミュージシャン達が彼をリスペクトし、彼の歌は今も唄い継がれているのだ。
これまでも、彼の偉業を称えるベスト盤や企画アルバムが多く発表されてきたが、2001年にリリースされたトリビュート盤は特に秀逸だといわれている。
そこにクレジットされた錚々たるミュージシャンの名前を見るだけでも、世代やジャンルを超えて彼が現在の音楽史に与えた影響の大きさがわかる。
ジョニー・キャッシュを筆頭に、ボブ・ディラン、キース・リチャーズ、シェリル・クロウ、BECK、エミルー・ハリス、マーク・ノップフラー、トム・ぺティ、KEB’ MO’、ライアン・アダムス、ルシンダ・ウィリアムス…そして実際に彼の遺伝子の継承者である孫ハンク・ウィリアムス3世も参加している。
また、ルシンダ・ウィリアムスはたまたま同姓であって血の繋がりはないものの、彼女が産声をあげた1953年1月といえば…ハンク・ウィリアムスがこの世を去った同年同月であったりして、何か因縁めいたものを感じずにはいられない。

「Cold Cold Heart」/ルシンダ・ウィリアムス

ハンク・ウィリアムス トリビュート/ジョニー・キャッシュ、ボブ・ディラン、キース・リチャーズ、シェリル・クロウetc.『Timeless』

ハンク・ウィリアムス トリビュート/ジョニー・キャッシュ、ボブ・ディラン、キース・リチャーズ、シェリル・クロウetc.
『Timeless』

(2001/Mercury)


1. I Can’t Get You Off Of My Mind(愛しているから)/ボブ・ディラン  
2. Long Gone Lonesome Blues/シェリル・クロウ
3. I’m So Lonesome I Could Cry(泣きたいほどの淋しさだ)/Keb’ Mo’
4. Your Cheatin’ Heart/Beck
5. Lost On The River(川に迷いて)/エミルー・ハリス&マーク・ノップフラー
6. You’re Gonna Change (Or I’m Gonna Leave)/ トム・ぺティ
7. You Win Again/キース・リチャーズ
8. Alone And Foresaken/エミルー・ハリス&マーク・ノップフラー
9. I’m A Long Gone Daddy/ハンク・ウィリアムス3世
10. Lovesick Blues/ライアン・アダムス
11. Cold Cold Heart/ルシンダ・ウィリアムス
12. I Dreamed About Mama Last Night(母の夢)/ジョニー・キャッシュ



1曲目から最後の曲まで、それぞれのアーティストが魅力ある歌唱を披露しており、ハンク・ウィリアムスの楽曲の“普遍性”を再認識させてくれる。
各曲ごとにニヤリとさせられるアレンジや演奏スタイルの多様さは、彼が撒いた種によって開花した今日のROCK&POPSの芳醇さを逆照射しているようだ。
もう一つの聴きどころといえば(TATTOOを彫りまくっていたりしてちょっとヤンチャなところもあるが)顔立ちや声質が「ハンクの生まれ変わり」と囁かれているハンク・ウィリアムス3世が比較的伝統的な歌唱法&アレンジで歌っているところだろう。
お爺さんが得意とした軽やかなヨーデル歌唱に胸を打たれるカントリーファンも少なくはないという。

────時代を越え、世代をまたぎ、国境・人種・ジャンルを超えて…この先も“本物の音楽”は生き続けることだろう。
アーティストは死んでも、歌は死なない。
輪廻転生のように、歌い継がれながら、生まれ変わりながら…ハンク・ウィリアムスが撒いた種がそうであるように。

「I’m A Long Gone Daddy」/ハンク・ウィリアムス3世

「I Can’t Get You Off Of My Mind(愛しているから)」/ボブ・ディラン

「You Win Again」/キース・リチャーズ

「I Dreamed About Mama Last Night(母の夢)」/ジョニー・キャッシュ

「Long Gone Lonesome Blues」/シェリル・クロウ


さて今週は「あなたが好きなカントリーテイストの一曲!」を紹介して下さい♪
皆様からのコメント欄への投稿をお待ちしております。
洋楽・邦楽・性別・世代を超えて“音楽と出逢う”歓びを、皆さんで分かち合いませんか?
TAP the POPを是非沢山のお友達に広めて下さい♪
宜しくお願い致します。

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