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キセル

2014.12.08

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服より温い音もある 時折ね
家より落ち着く歌もある たまにはね
 (中略)
どうにもならない事もある 時折ね
それでも変わらぬ歌もある たまにはね

(「たまにはね」より)


辻村豪文と友晴による兄弟ユニット、キセル。2014年に結成15周年を迎えた彼らは、いつもそばに置いておきたくなるような音楽を奏で続け、いつまでも色褪せない歌を歌い続けてきた。前作『凪』から4年半、待ちに待ったニュー・アルバム『明るい幻』が届けられた。いつものようにレコーディング・エンジニアの内田直之とともに作り上げていった本作。彼らのライブでもお馴染みのエマーソン北村、北山ゆうこ、野村卓史に加え、千住宗臣、武嶋聡とサウンドを支えるミュージシャンたちも豪華だ。

4年半の間には、3.11があった。2011年の東北ツアーですでに歌われていたという「覚めないの」や、その後に作られた「今日のすべて」は、震災直後の心情が反映された曲だった。その2曲が収録されたアルバム『明るい幻』だが、決して声高にメッセージを伝えるような作品ではない。しかし、全曲を聴き終わった後、脳裏にくっきりと何かが焼き付く感覚はなんだろう。日常の一場面や日々の想いを切り取っていく作風は、これまでと変わらないが、一語一句に込められた情景描写の洗練がそう感じさせるのか、あるいはシンプルでいながら豊かな彩りを感じさせる演奏がそう感じさせるのか。時にシリアスに、時にドリーミーに、見慣れた光景にフィルターをかけていく。たとえば7曲目に収録された「ミナスの夢」の優麗かつ濃密なアレンジなどは、5分間という短さながら、めくるめく物語を味わせてくれる。

『明るい幻』とは、幻のような現実か、現実のような幻か──その間を行き来しながら、目に見えるもの、耳に聞こえるもの、肌で感じることを、しっかりと心に書き留め、歌にして伝えていく──キセルが描く13篇のストーリーから、あなたは何を読み取るだろう。そして、それは聴き返す時々の心境でカタチや色合いを変えていく。キセルの最新作『明るい幻』は、そんなカレイドスコープのような作品だ。

キセル『明るい幻』

キセル
『明るい幻』

(カクバリズム)


キセル『明るい幻』特設サイト
http://www.kakubarhythm.com/special/akaruimaboroshi/
キセル official website
http://www.nidan-bed.com/

キセル『明るい幻』予告編


キセル『明るい幻』Release Tour 2015
2015年1月23日(金)長野・松本ピカデリーホール
2015年1月24日(土)石川・金沢 21世紀美術館 シアター21
2015年1月25日(日)京都・磔磔
2015年1月30日(金)福岡・博多百年蔵
2015年1月31日(土)広島・4.14
2015年2月6日(金)北海道・札幌cube garden
2015年2月8日(日)宮城・仙台 darwin
2015年2月14日(土)大阪・梅田クラブクアトロ
2015年2月15日(日)愛知・名古屋クラブクアトロ
2015年2月21日(土)東京・赤坂BLITZ
詳細はキセル『明るい幻』特設サイトを参照ください。

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