TAP the ROOTS

祖国への想いを歌にした「バック・イン・ザ・U.S.S.R.」

2014.10.09

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インドのリシケシュに滞在していたポール・マッカートニーは、ジョージ・ハリスンに誘われてやってきたものの、どこか退屈していた。
彼は瞑想にではなく、やはり歌を作ることに時間を費やした。

母国であるイギリスを離れてインドで時間を過ごしていたこともあり、遠く祖国を離れた主人公が故郷へ帰る歌のことを思い返した。そのひとつがチャック・ベリーの「バック・イン・ザ・USA」だった。

ある朝、ポールが「バック・イン・ザ・U.S.S.R.」の下敷きとなるメロディーを思いつき、朝食の場所へと降りてくると、そこにいたのはビーチボーイズのマイク・ラブだった。
彼もまた、グルのマハリシに超越瞑想を学ぼうとしていた。だが、ポールが楽曲のアイディアを話すと、マイクもその瞬間、ミュージシャンに戻った。

「ソ連の女の子たちのことを歌に入れたほうがいいな」

♪英国海外航空でマイアミビーチを飛び立った
 昨日の晩は眠れなかったぜ
 紙袋を膝の上に乗せたまま
 ひどいフライトだったけど
 俺はU.S.S.R.に戻ってきたのさ
 何て幸運な奴なんだ
 俺はU.S.S.R.に戻ってきたのさ♪


出だしは、ハードなロックチューンである。
だが、そこからマイクのアドバイスで、曲は突然、ビーチボーイズ風に変わっていく。後ろで流れるのは、これまたビーチボーイズ風のコーラスだ。

♪ウクライナの女の子たちにはノックアウトされちまう
 彼女たちにくらべたら西洋の子なんて全然さ
 モスクワの女の子たちを見ると、歌って、叫びたくなるのさ
<ジョージア・オン・マイ・マインド>ってね♪


何故、歌の主人公は<ジョージア・オン・マイ・マインド>と叫びたくなったのだろう。その秘密の鍵がまもなく解かれようとしている。

今月末、グルジアのマルグベラシビリ大統領の来日が予定されている。それにあわせるように、グルジアは、その国名表記を「ジョージア」とするよう、日本政府に要請してきたのだ。

グルジアは常に旧ソ連の火種となってきた土地であり、スターリンの出身地でもある。モスクワで、心はグルジアにあり、と叫ばせたポール・マッカートニー。
実は相当な勉強家である。



The Beatles『White Album』
EMI

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