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ジミ・ヘンドリックスの「All Along The Watchtower / 見張塔からずっと」

2014.01.17

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1967年11月、ボブ・ディランはバイク事故による休養と沈黙を経て、アルバム『John Wesley Harding』をリリースする。

その頃、ジミ・ヘンドリックスはあるパーティでトラフィックのギタリスト、デイヴ・メイソンに会った。
2人はディランのアルバムの話で盛り上がり、ジミはその中から「All Along The Watchtower」のカバーをすることに決める。

「自分が生み出すべき歌だと感じたんだ。だけどとてもじゃないが、俺には作ることができない。」

聖書の引用からなるディランの詩は、一見すると難解で、何を言ってるのかがわかりにくい歌詞だが、寓話的で、視覚的で、暗示に充ちている。

ここから抜け出す方法があるはずだ

から、はじまり、

風がうなりをあげ始めた

で終わる。

ジミは歌うだけではなく、変幻自在にギターを操り、それをサウンド・マシーンのように駆使して、言葉からのインスピレーションを音にした。

アルバム「エレクトリック・レディ・ランド」の中からシングル・カットされた「All Along The Watchtower」は、1968年9月にリリースされると、イギリスのチャートで5位、ビルボードで20位に入り、ジミにとっての最高位となる。

その後もグレイトフル・デッド、ニール・ヤング、U2、パールジャム、XTCと、実に様々なアーティストによってカバーされているが、そこにはジミの影響も大きい。

ディランも、ジミのバージョンが好きだと言う。

「ジミ・ヘンドリックスのバージョンが好きで、彼が亡くなってからずっとジミみたいに演奏しているんだ。僕が歌うとどうもしっくりこないんだけど、言ってみればそれはジミへのトリビュートなんだ。」

Jimi Hendrix『Electric Ladyland』
SMJ

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