1972年2月18日、トランペット奏者リー・モーガンは、ニューヨークにあったジャズクラブ『SLUGS’』でいつものように演奏をしていた。
その2ステージ目と3ステージ目の合間の休憩時間、内縁の妻ヘレンに突然拳銃で撃たれた。それは三角関係がもつれた末の悲劇だった。ただちに病院に搬送されたが、ほぼ即死状態だったという。死亡が確認されたのは2月19日午前2時45分だった。享年33。
今日はリー・モーガンの命日ということで、その足跡と功績をご紹介します。
「トランペットという楽器を最もかっこよく扱った男」
「粋で鯔背(いなせ)な職人トランぺッター」
ジャズ雑誌などでリー・モーガンが紹介されるページには、こんな言葉が並んでいる。一般的にジャズのトランペットと言えばマイルス・デイヴィスを真っ先に挙げる人が大半だろう。もちろんマイルスは、先進的なジャズ奏法を改革してきたイノベーターであり、多くの名盤を遺した伝説のジャズメンであることは確かだ。
そんなマイルスに比べてリー・モーガンのトランペットには、初心者からベテランまで楽しめる“優しい響き”があったと言われている。トランペットを最大限鳴り響かせ、やかましくもなく、それでいて男気に溢れたプレイだった。
そう、リー・モーガンといえば、“ハードバップのトランペッター”としてその名を知られた男でもある。少し歳上の世代で活躍したトランぺッターには、マイルス・デイヴィスやチェット・ベイカー、ケニー・ドーハム、アート・ファーマーなど、たくさんの名プレイヤーがいた。
1950年代中期から1960年代中期までバップがモダンジャズの代名詞だった頃、彼らはそれぞれのスタイルのトランペット奏法でジャズの歴史に新風を吹き込んだ存在だった。そんな時代の中で“粋で鯔背な”音を鳴らしたリー・モーガンは、一体どんな経緯からトランぺッターとなったのだろう?
──1938年7月10日、ペンシルベニア州フィラデルフィア生まれる。 全員がジャズ好きという4人姉弟の末っ子として育ち、14歳の誕生日に親からトランペットを買ってもらうと、毎日8時間も独学で練習し、めきめきと上達していったという。
最初のアイドルはディジー・ガレスピーだった。そして8歳年上のクリフォード・ブラウンに憧れ、彼の家を訪ねて奏法を教えてもらったりするようにもなる。高校時代には同級生たちとバンドを結成し、17歳頃から地元にあった『ミュージック・シテイ』というクラブで演奏するようなる。
このクラブで、ニューヨークから巡業でやってきたマイルス・デイヴィスやソニー・スティットなどの大物ミュージシャンたちとセッションを重ね、その腕に磨きをかけていった。
そして1956年10月、若干18歳3ヶ月にして、憧れのディジー・ガレスピーのビッグバンドに参加するようになる。そのすぐ1ヶ月後の11月には、たった2日間でリーダーアルバムを2枚(デビュー作と2作目)録音するという離れ業をやってのけて周囲を驚かせた。
その後、ジャズメッセンジャーズに加入し、1961年の来日時には、まさに油の乗り切った名演奏を日本のジャズファンにも披露。
ところが、1962〜63年には体調を崩し、聴衆の前から姿を消したため、一時は死亡説すらささやかれた。しかし、リー・モーガンはもちろん生きており、1964年にアルバム『The Sidewinder』で完全復活を遂げる。
同アルバムからはタイトルチューンが大ヒットし、ビルボードのアルバムチャートでも最高25位まで上昇。これはジャズ作品としては異例のことで、同曲はリズムが8ビートであることから“ジャズロック”とも呼ばれ、普段ジャズを聴かないような人々にも広く受け入れられるようになった。
そんなジャズ・ロックブームを巻き起こしたことをきっかけに、ジャズメッセンジャーズに戻り再び活躍。だが、翌1965年4月に脱退してソロ活動をスタートさせ、ブルーノートで多くの録音を行うようになる。
1970年には、ローランド・カークらと共に黒人音楽家の地位向上と、放送メディアへの出演を増やすという運動を展開した団体「ジャズ・アンド・ピープルズ・ムー ブメント」を結成。晩年は西海岸でも活動を行った。

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執筆者
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