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季節(いま)の歌

雨あがりの夜空に

2025.01.21

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1970年代の終わり。RCサクセションは、フォークグループからロックバンドへと変貌を遂げようとしていた。

「雨あがりの夜空に」は当時、忌野清志郎が乗っていたオンボロ自動車(日産サニー)が雨で壊れてしまったことと、女の子のことをダブルミーニングで歌いあげた、“日本のロック史上で最も偉大な一曲”である。

仲井戸“CHABO”麗市は、今もライブでこの曲を演奏するときには、こんな感じのステージMCで曲の紹介をしてくれる。

この歌が出来たのは80年代に入ろうとする頃。俺が当時住んでた渋谷のちっこいちっこいリビングルームで、あいつが言ったんだ。
「なぁチャボよ、ライブのケツの方で盛り上がる曲、一曲欲しくねぇか?」
「そうだな、清志郎!じゃあこんなリフはどうだぁ?」
そんな風にして(この歌は)生まれたんだ。


歓声と共に観客の耳には、天国から“あのシャウト”が聴こえてくる。
「OK!チャボ!!!」
そして、もはや“伝説”とも云えるあのイントロ(リフ)が鳴り始めるのだ。

♪「雨あがりの夜空に」/RCサクセション


オリジナルのレコーディング版(発売直後のライブ)だと、「Ohどうぞ勝手に降ってくれポシャルまで Wooいつまで続くのか見せてもらうさ」となっているのだが、数年後のライブなどでは“ここ”はカットされ、代わりに最後の部分で「Oh雨上がりの夜空に吹く風が Woo早く来いよとオレ達を呼んでる」と歌われている。

これは“後から変えたもの”ではなく、レコーディング前にライブハウスで演奏し始めた当初の歌詞に“戻したもの”だと云われている。レコーディング時、プロデューサーによる歌詞への“ダメ出し”に対して、清志郎がその場で“当てつけ”の皮肉も込めて変更したという逸話もあったり、真相は謎のままだ。

この「雨あがりの夜空に」は、1980年1月21日、RCサクセションの9枚目のシングルとしてリリースされ、ライブでは終盤で必ず演奏される彼らの代表曲となった。

現在ではロックイベントなどのフィナーレを飾るセッションでしばしば演奏され、日本のロック・スタンダードとなっている。

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RCサクセション『EPLP』

(1981/キティレコード)


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執筆者
【佐々木モトアキ プロフィール】
https://ameblo.jp/sasakimotoaki/entry-12648985123.html

【公演スケジュール】
https://ameblo.jp/sasakimotoaki/entry-12660299410.html


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