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ジョニ・ミッチェル少女時代〜9歳から吸っていた煙草、ポリオ感染の辛い経験がもたらした神秘的な感覚、フォークブームから受けた刺激

2022.08.02

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季節はいつでもめぐり巡って
ペンキで塗られた木馬は上がったり下がったり
私たちは時という回転木馬に乗った捕われ人
戻ることはできない…
過ぎ去って行ったあの場所を振り返るだけ
めぐり巡ってぐるぐる回り続けるだけ
サークルゲームの中で


「9歳の頃から煙草を吸っていたわ。自分が誰なのか忘れたくて…自転車に乗って平原に向かい、鳥が飛び交うのを眺めながら煙草を吸ったわ。私は幼い頃から感じやすい性格で、薄い肌の色をしていた。神経が表面に浮かんでいるようなね…いつも気持ちを落ち着かせるために煙草が必要だったの。」

1943年11月7日、彼女はカナダのアルバータ州のフォート・マクラウドで誕生した。
父方の祖先はノルウェー人で、母方の祖先はスコットランド人とアイルランド人だった。
父親の仕事はカナダ空軍のパイロットで、母親は(彼女が生まれる以前まで)学校の教師として働いていたという。
彼女が3歳の時に、父親の仕事の都合で一家はサスカチュワン州にあるメイドストーン村に引っ越し、6歳の時に同州のノースバトルフォードへと移り住んでいる。

「私たち家族はノースサスカチュワン川とバトルフォード川が合流する川岸の町で暮らしたの。そこで過ごした日々は本当に素晴らしかったわ。自然豊かな森で木登りをして遊んだり、平原をかけまわったり、田舎道で自転車をこいだりしていたわ。」

7歳の誕生日会の時に、初めてエディット・ピアフの「谷間に三つの鐘が鳴る」を聴いた彼女は、両親にピアノが弾きたいとせがむ。
しかし、レッスンに通い始めたのはよかったが…ピアノ教師の指導がとても厳しくてすぐにやめてしまったという。


9歳になった彼女は、カーク・ダグラスが出演していた映画『三つの恋の物語』を観て、その挿入歌に使われていたセルゲイ・ラフマニノフの「パガニーニの主題による狂詩曲」を気に入り、音楽の虜になっていく。



1953年、彼女が10歳の時にカナダで感染症のポリオ(急性灰白髄炎)が大流行する。
多くの子供達と同じように彼女も感染してしまい…長い入院生活を送ることとなる。
この病気で彼女の脊椎は前方右側にねじ曲り、立ち上がることすら難しい状態だった。
ポリオ患者に対して当時はまだ酷い苦痛を伴う物理治療法が施されており、時には沸騰した熱湯につけた布で足を巻き上げることもあったという。
そんな辛い治療にすべて耐え抜き、彼女は再び歩けるようになる。
ポリオ感染は、彼女に芸術家として目覚めるきっかけを作ったと言われている。
ほとんど立ち上がることすらできなかった時期、彼女はイマジネーションの世界を自由に歩き回っていたという。

「ある意味、あの経験は内省的なものの見方や神秘的な感覚を目覚めさせるきっかになったと思っているの。ポリオの後遺症が残った左手の不自由さを埋め合わせるために、私は独特のチューニングでギターを弾くこととなったの。」

12歳から16歳の間、彼女は不良仲間達とダンスホールに入り浸るようになる。
煙草を吸い、周りの友達と同じようにロックンロールを聴きながら踊っていたという。

「私が12歳の時にリトル・リチャードのTutti Fruttiがリリースされたの。みんなロックンロールに夢中だったわ。」


思春期を迎えた彼女は、ラジオから流れてくるロックンロールに魅せられ、やがてウクレレを弾きながら人前で歌うようになる。
そして1961年、18歳になった彼女は高校で落第することとなる。

「自分から落第したようなものよ。私の創造的な精神が、退屈で機械的な学習環境になじめなかっただけ。」

その後、なんとか高校を卒業した彼女は、1963年(当時20歳)に子供の頃から好きだった絵画の才能を活かしてデザイン学校へ入学するも…わずか1年間で退学してしまう。
彼女を退学させ、その人生を大きく変えたのは、1960年代前半に起こったフォークブームだった。
自分と変わらない世代のジュディ・コリンズ、トム・ラッシュ、バフィー・セント・メリーといったシンガーソングライター達に刺激を受けた彼女は、1964年、21歳にしてミュージシャンになる決意をする…



<引用元・参考文献『ジョニ・ミッチェルという生き方 ありのままの私を愛して』ミッシェル・マーサー(著)中谷ななみ(翻訳)/スペースシャワーネットワーク>

【佐々木モトアキ公演スケジュール】
https://ameblo.jp/sasakimotoaki/entry-12660299410.html


【佐々木モトアキ プロフィール】
https://ameblo.jp/sasakimotoaki/entry-12648985123.html

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