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ブライアン・イーノの偉業〜グラムロック創成期を彩り、アンビエント音楽の礎を築き、Windows 95の起動音を作った男

2026.05.14

ブライアン・イーノは、1948年5月15日にイギリスのサフォーク州のウッドブリッジで生まれた。作曲家、プロデューサー、音楽評論家として多方面で活躍しているが、自らを“ノン・ミュージシャン”と呼んでいる。

1970年代にイギリスのロックシーンに大きな衝撃をあたえたグループ、ロキシー・ミュージックにシンセサイザー奏者として参加していたが、2ndアルバム発表後に脱退。

その後、現代音楽やニューエイジ的な作風に転向し、1978年には世界初の“アンビエントミュージック(環境音楽)”としてのアルバム『Music for Airports』を発表。


Music for Airports

アンビエントミュージックの礎を築いたこのアルバムの発表後も、同コンセプトの音楽製作を続けている一方で、デヴィッド・ボウイ、トーキング・ヘッズ、U2などの代表的なロックミュージシャンのアルバムプロデュースや演奏にも参加してきた。

その他にも、視覚芸術のインスタレーション作品などにも積極的にも参画している。21世紀に入ってからも、ポール・サイモンやコールドプレイのアルバム制作に参加した。

そして何と言っても、イーノの作曲した作品を語る上で外せないのが、マイクロソフト社Windows 95の起動音“The Microsoft Sound”である。

『CHRONICLE POP MUSIC CRITIC』誌の1996年のインタビューによると、マイクロソフトからの依頼は「人を鼓舞し、世界中の人に愛され、明るく斬新で、感情を揺さぶられ、情熱をかきたてられるような曲。ただし、長さは3秒コンマ25で作って欲しい」であったという。

当時新しいアイデアが思い浮かばずに悩んでいたイーノは、これを「待ち望んでいた課題だ!」と快諾し、製作にとりかかった。最終的に84個のごく短いフレーズが製作され、その中の一つが“The Microsoft Sound”として提供されたのだ。


そんな素晴らしい音楽的功績を残してきたイーノは、一体どんな風に音楽人生をスタートさせたのだろう?

──学生時代のイーノは、地元サフォーク州のイプスイッチにあるセント・ジョセフ・カレッジとウィンチェスター美術学校に在籍し、そこで美術を学んでいた。同時期に電子楽器や音声理論に関心を抱き始め、結局は“音楽の道”へと邁進することとなる。

1968年、20歳になったイーノは、在学中にも関わらず『Music for Musicians(非音楽家のための音楽)』という小冊子を自費出版。1970年、アマチュアグループで音楽活動をスタートさせ、アンディ・マッケイ(サックス&オーボエ奏者)の誘いによりブライアン・フェリーを中心としたグループ、ロキシー・ミュージックを結成。

翌1972年には、大手レーベルIsland Recordsと契約を交わし、1stアルバム『Roxy Music』でデビューを果たす。グループではシンセサイザー奏者としてその特異なファッションや音楽スタイルで注目を集める。


Roxy Music

“音楽をアート的表現の一部としてとらえること”
それが初期のロキシー・ミュージックのあり方だった。

1973年に発表した2ndアルバム『For Your Pleasure』を最後に、イーノはロキシー・ミュージックを脱退する。この時にブライアン・フェリーが言った台詞がとても印象的だった。

「一つのバンドに二人の“ノン・ミュージシャン”は要らない」


実際、初期ロキシー・ミュージックのライブ映像を観ると、ユニセックスな格好でシンセサイザーを弾くイーノは、ヴォーカリストよりも格段に目立っており、フロントマンのブライアン・フェリーの心情を察すれば…そんな発言をしてしまった気持ちもわからなくはない。それほどまでにイーノの存在は異端であるながらも、溢れんばかりの才能とカリスマ性を持ち合わせていたのだ。


<引用元・参考文献『グラムロック黄金時代1971-77:フィーチャーリング・モダーン・ポップ』(音楽出版社)/立川芳雄著>

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