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レディー・ガガ27歳〜世界で最も稼ぐ二十代となった彼女が経験した裏切りと、シアトリカルな創造力

2025.03.29

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2013年、レディー・ガガは27歳にしてアルバム『ARTPOP』で新境地を切り拓いた。アルバムのリリースイベントをニューヨークのブルックリン海軍工廠(Brooklyn Navy Yard)で開催し、ガガはその圧倒的なパフォーマンスで観客とマスコミ関係者を驚愕させた。


2008年のデビュー以来、複数のメディアや評論家達は、ガガの音楽・映像作品・ステージパフォーマンスに至るまでマドンナの影響を指摘してきた。 その影響について聞かれた時、カガはこんな風に語っている。

私ほどマドンナを尊敬して愛しているファンはいないわ。個人的にもプロフェッショナルな意味でも一番のファンなの。


クラウス・ノミやグレイス・ジョーンズなどの前衛的アーティストを筆頭に、マイケル・ジャクソン、シンディ・ローパー、エルトン・ジョン、スティーヴィー・ワンダー、ブルース・スプリングスティーン、カイリー・ミノーグ、ホイットニー・ヒューストン、ベット・ミドラーなどのスター歌手、そして芸術家のアンディ・ウォーホルからも影響を受けてきた彼女が、マドンナ以上に“お手本”としたアーティストがいた。

稀代の歌姫レディー・ガガにとって、デヴィッド・ボウイとクイーンは特別な存在だったという。

彼らの音楽とステージは、いつも非常にパワフルなイメージを伴っていたわ。そして一定の演劇性とドラマ性を含んでいて、それが人々を日常生活から連れ出し、彼らが表現しようとしていることの渦中に運んでくれたの。それに私は演劇が大好きで何年も学んだし、彼らは私が愛するもの全てを融合させてシアトリカルなポップミュージックを成立させる方法を指し示してくれたってわけ。



アルバムのプロモーションフィルムとして製作されたミュージックビデオは、壮大なスケール感を持つ大作として話題となった。ガガはこの映像作品の中で、マイケル・ジャクソン、ガンジー、キリストを復活させる。復活した彼らの血液を使って、クローン達(G.U.Y.)が作られていく。

ハイライトシーンでは、黒い車から降りた黒の服をまとったガガ達がビルへと入り、ドル札の大砲を撃つ。社員がお金に群がるなかガガ達は進み、会社の重役=金の亡者達を殺し、G.U.Y.が代わりとなるというストーリーで構成されている。

ガガはこの『ARTPOP』のリリース前後に起きた様々な問題について、周りのスタッフから裏切られ、マネジメントが適切でなかったと語っている。

わたしを深いところで裏切った人たちは、わたしのスケジュールと健康状態の管理を誤って、結果的に引き起こされる問題の損害対処をすべてわたしにかぶせたのね。ある種の人々には数百万ドルをもらうだけでは事足りないようで、数十億欲しいみたいなの。いや数兆ドルは欲しいみたいね。わたしという“価値”では一部の人々には足りなかったみたい。そういう人たちはもっともっと欲しいのよ。


彼女はその年の2月に骨盤を損傷し、ツアーを中止して、療養と『ARTPOP』の製作に励んでいたが、アルバムがリリースされた11月に、長くマネジメントを託していたトロイ・カーターと袂を分かっている。

残念ながら手術の後、わたしは体調が思わしくなく、あまりにも疲れていて、あまりにも落ち込んでいて…1人では事態の収拾がつけられなかったの。わたしのレーベルはわたしがこうした事態に陥っていたことを気づいていなかったの。でも、これからの数ヶ月が『ARTPOP』の真の始まりとなるはずだから。
というのは、このアルバムの成功をどうでもよく思っていた人たちはもういなくなったから。これだけ長い間懸命に働いてきて、友人やパートナーと思っていた人たちから、わたしがその人たちを一番必要だと感じていた時に、まるで無関心な対応を受けるとは夢にも思ってなかったわ。わたしは愛する者を金銭への執着のせいで失ったの…。


アルバム『ARTPOP』はイギリスで初登場チャート1位に輝き、アメリカでは初動で50万枚以上の売上を記録したが、前作『Born This Way』やデビュ―作『The Fame』のセールスには及ばなかった。

アートポップはどんな意味にもなれるわ
そう、何にでもなれるの!
私は自分を売り込もうとしてきたけど
でも本当は笑っているの
だって私はただ音楽が好きなの
うわべだけの派手な宝石じゃなくて音楽よ!



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執筆者
【佐々木モトアキ プロフィール】
https://ameblo.jp/sasakimotoaki/entry-12648985123.html

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