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ヘヴィメタルの閃光①〜アイアン・メイデン/マイケル・シェンカー・グループほか

2019.06.24

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「TAP the COLOR」連載第363回〜RED〜

1970年代後半〜80年代前半、イギリスで起こったNWOBHM(New Wave Of British Heavy Metal)をきっかけに世界へ広まった「ヘヴィメタル」。その後、70年代から活躍するハードロックバンドに加え、LAメタル、スラッシュ・メタル、ネオ・クラシカル・メタルなど様々なジャンルが確立。MTVや音楽雑誌を通じて数々の人気バンドやギターヒーローが誕生した。90年代のグランジ/オルタナ時代には時代遅れの対象にされるものの、ゼロ年代からは世代交代を経てシーンが再燃・活性化。音楽に限らず、映画やコミックやデザインなどポップカルチャーに与えた影響は計り知れない。アルバムジャケットに刻まれたバンドのロゴデザインにも注目してほしい。

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アイアン・メイデン『Killers』(1981)
1980年に『鋼鉄の処女』(Iron Maiden)でデビューした時、彼らがその後40年も続くバンドと予測できた人などいなかったはず。イギリスで起こったNWOBHM(New Wave Of British Heavy Metal)の顔役として登場した彼らはデフ・レパードらとシーンを牽引。長いツアーの積み重ね、アルバムジャケットに描かれた“エディ・ザ・ヘッド”のキャラクター化などを経てアメリカでも人気を博し、HR/HM界の頂点へと上り詰めていく。本作はギターにエイドリアン・スミスが加わったセカンド。アイアン・メイデンの原風景だ。


マイケル・シェンカー・グループ『Assault Attack』(1982)
HR/HMは数々のギターヒーローを生んだ。エディ・ヴァン・ヘイレン、ランディ・ローズ、ゲイリー・ムーア、イングヴェイ・マルムスティーン……しかし、このマイケル・シェンカーこそ、その筆頭に挙げるべきギタリストかもしれない。来日公演も多く、日本でも人気が高い。ドイツ出身の天才少年はUFOやスコーピオンズで活躍後、1980年に自身の名を掲げたバンド(通称M.S.G.)でアルバムデビュー。愛用するギブソンのフライングVはトレードマークとなり、このサード作ではアルバムジャケットにも登場した。


ディオ『The Last in Line』(1984)
その圧倒的なドラマチックなヴォーカルで、「メタル界のゴッドファーザー」として親しまれたロニー・ジェイムス・ディオ。レインボーやブラック・サバスで活動後、自身のバンドを率いてアルバムデビューしたのが1983年。時はヘヴィメタル全盛期。クールなジャケットデザインもキッズたちの心を捉え、続くセカンドも全米でプラチナディスクを獲得。何もかもが眩しかった80年代のHM/HRを語る上で絶対に避けてはならない存在。2010年5月16日、67歳で死去。


アルカトラス『No Parole from Rock ‘n’ Roll』(1983)
レインボーや上記のM.S.G.のヴォーカリストだったグラハム・ボネットが1983年に結成したのがアルカトラス。デビューとなった本作には、イングヴェイ・マルムスティーンがギタリストとして参加しており、その驚異的なテクニックにシーンはざわつき、日本でも人気が沸騰。翌年のライジング・フォース結成へと繋がっていく。「HR/HM史の名盤100選」的企画には必ずランクインしてくる人気作だ。


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