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七夕の日に“スターマン”を聴く〜星になってしまった男、デヴィッド・ボウイを偲んで

2016.07.07

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今日は七夕。
日本では今夜、たくさんの子供達が夜空を見上げて星を眺めることだろう。

「子供達に心を使わせよう」
「子供達みんなにブギーをさせよう」


2016年1月10日、デヴィッド・ボウイは星になった。
あれから半年の時間が流れた…。
日本時間では、1月11日15時30分に更新されたFacebookの公式アカウントで「18ヶ月におよぶ癌との勇敢な闘いの末、家族に見守られながら静かに死去しました」と報告された。
亡くなる二日前の1月8日、69歳の誕生日に通算25作目となるニュー・アルバム『★(ブラックスター)』をリリースした直後の旅立ちだった。


スターマンだ!彼が空で待っている
僕達に会いに来たがっている
彼は言った
「子供達の心を発狂させよう」
「子供達に心を使わせよう」
「子供達みんなにブギーをさせよう」



この「スターマン」という歌は、彼が1972年の6月リリースした5作目のアルバム『ジギー・スターダスト』に収録され、同年の4月にシングルカットされた言わば“ボウイの代表曲”である。
この作品(アルバム)は、彼の最高傑作として高い評価を受け、現在においても「20紀最高のアルバムは?」というアンケートやチャート企画を行うと必ずランクインしているほどの名盤だ。
異星からやってきた架空のロックスター“ジギースターダスト”が地球上で成功し、そして没落していくまでを描いた物語。
彼は自らが異星からやってきた架空の人物となり、あたかもその人物が実在しているかのように完璧に演じながらプロモーションからツアーまでを行った。
1972年の1月末にこのジギースターダストでステージに立つと、2月から始まったUKツアーで本格的にジギーとしてパフォーマンスを始める。
4月からのUSツアーのため、クイーンエリザベス2世号でアメリカに乗り込むという演出で世界中のロックファンの度肝を抜く。
そして6月にアルバム『ジギー・スターダスト』をリリース。
7月〜8月にかけて再びUKツアー、9月からまたアメリカに渡りUSツアーを成功させる。
ニューヨークのカーネギーホール公演では、アンディーウォーホール、ルーリード、イギーポップなどが客席に姿を見せ、ジギーに熱狂したという。
加熱してゆくジギー旋風はとどまることなく、翌1973年の1月からさらにUSツアーを行い、4月には日本にも初上陸を果たす。
そしてイギリスの帰国した彼は、5月からUKツアーを再開し、7月3日ロンドンのハーマスミスオデオン公演で事実上のジギーとしての活動を停止する。
デヴィッドボウイが“ジギー・スターダスト”として活躍した期間はたった1年半だった。


宇宙からやってきた使者として、ジギー=ボウイはこの期間にグラムロックブームの頂点に君臨することとなる。
彼は、まさにこの曲に登場する“スターマン”を見事に体現してみせたのだ。
そして今年、自らの死を予言するかの如く『★(ブラックスター)』というアルバムをこの世に遺して…彼は星になった。


見上げてみな、俺はここ、天国にいる
俺には傷跡がある、見えないけど
ドラマがある、決して奪えない
今や皆が俺を知っている
見上げてくれよ、もう死にそう
失うものなんてもう無い




デヴィッド・ボウイ『ジギー・スターダスト』
ワーナーミュージック・ジャパン

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