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「TAP the COLOR」連載第22回
今回の4組は、1960年代後半と70年代後半に「抑えきれない内なる衝動」をロックを通じて吐き出した偉大なる連中たち。灰色の都市に突如として鳴り響く一筋の光。その色はいつだってイエローだった。これから先も、彼らが残した作品は必ずどこかで迷える人々を救済する。
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ヴェルヴェット・アンダーグラウンド『The Velvet Underground & Nico』(1967)
アンディ・ウォーホルによるバナナの絵で余りにも有名な作品。女優/モデルのニコを加えた彼らのデビュー作で、都市NYのダークサイドを綴るルー・リードの歌詞、前衛的なサウンドを奏でるジョン・ケイルの音楽性など、当時は理解されなかったが、今となっては不滅の名盤。
ストゥージズ『The Stooges』(1969)
ヴェルヴェット・アンダーグラウンドを脱退したジョン・ケイルがプロデュース。イギー・ポップ率いる元祖ガレージ/パンクの原点。何か異様なものが溜まり続けて爆発寸前。そんな危なすぎる魅力が全編を貫く。都市デトロイトからの叫び。イギーは既に伝説だった。
セックス・ピストルズ『Never Mind the Bollocks, Here’s the Sex Pistols』(1977)
都市ロンドンからの一撃。パンク以前/以後の境界線をロックに刻んだ1枚。マネージャーのマルコム・マクラーレンの「偉大なるロックンロール詐欺」、メンバーの強烈なキャラクター、そして今聴くと驚くほどポップな楽曲。それらが完璧に調和。後に「金のため」に再結成。
クラッシュ『Give ‘Em Enough Rope』(1978)
ピストルズと並ぶロンドン・パンクの顔役によるセカンド。ザ・クラッシュこそ、ロックとは何か、何のため?を教えてくれる数少ない「まともなバンド」だった。今や60年に及ぶロックの歴史がある中、どこから入ればいいかと訊ねられたら、迷わず彼らの名を答えるべきだ。
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